セルビアと北マケドニアがニシュ・スコピエ間高速鉄道整備に向けた覚書に署名

11月17日、セルビア政府と北マケドニア政府は、セルビア南部のニシュと北マケドニアの首都スコピエを結ぶ高速鉄道の整備に関する了解覚書に署名した。

覚書は両国の運輸担当大臣によって署名され、セルビアの首都ベオグラードで行われた署名式には、ブルナビッチ(Ana Brnavic)セルビア首相及びコバチェフスキ(Dimitar Kovacevski)北マケドニア首相も出席した。

両国政府が合意した計画によれば、この覚書の対象となるのはセルビア側がニシュからセルビア・北マケドニア国境のプレシェボまでを結ぶ約135kmの区間で、北マケドニア側は国境からスコピエまでの約50kmの区間とされている。同区間は、ギリシャからバルカン半島を南北に縦断し中欧までを結ぶ汎欧州運輸回廊10号(コリドー10)の中心部にもなっている。

ブルナビッチ首相は、「両国政府はこの覚書に基づき、EUに対して高速鉄道整備の資金援助を要請していく。既にベオグラードから(セルビア北部の都市)ノビサドまでの区間における高速鉄道の整備は完了しており、2024年末までにはノビサドから(セルビア・ハンガリー国境の都市)スボティツァまでの区間の整備が完了する予定である。また2025年内にはハンガリー国内の区間も整備が完了すると見込まれている。セルビア政府は、引き続きベオグラード・ニシュ間の鉄道整備に対する投資を行いコリドー10の整備に貢献していく。」と述べた。

コバチェフスキ首相は、「この覚書は、スコピエとニシュの区間に止まらず、(ギリシャの)テッサロニキから(ハンガリーの)ブダペストまでを結ぶ近代的な鉄道の整備を意味するものである。予定されている商用運行速度は時速160kmであり、このような高速鉄道はバルカンにおいて初のものとなる。今後2週間以内に両国政府の合同作業部会が設置され、このプロジェクトの具体的な実施計画が策定されるだろう。」と述べた。

今回の覚書の対象区間のうち、セルビア国内区間(ニシュ・プレシェボ間)の整備事業に要する費用は総額1億8,225万ユーロと見込まれており、このうち9,050万ユーロを欧州投資銀行(EIB)からの融資、400万ユーロをEUからの無償資金援助、1,447万ユーロをセルビア政府負担で賄うほか、EUと西バルカン諸国によって設立された西バルカン投資枠組(WBIF)から最大7,000万ユーロの資金を拠出することが計画されている

セルビア政府プレスリリース(英語)

北マケドニア政府プレスリリース(マケドニア語)

(アイキャッチ画像はベオグラード・ノビサド間で運行されている高速鉄道車両、出典:Shutterstock)

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