
2025年の対セルビアFDI流入額は前年比34%減少:国内外の不確実性が影響するも中長期的には経済回復へ
2月19日、セルビア中銀(National Bank of Serbia: NBS)のタバコヴィッチ(Jorgovanka Tabaković)総裁はインフレ報告書に関する講演を行い、同国の最新のマクロ経済情勢や2025年の国際収支の動向について説明した。
NBSが発表した最新の統計によると、2025年のセルビアにおける海外直接投資の流入額は35億ユーロとなり、前年比では34%の減少となった。セルビア国内居住者による海外への投資を考慮した純流入額は23億ユーロとなっている。2025年第1〜3四半期の暫定データに基づくと、最大の投資受け入れ先となったのは製造業(24.5%)であり、次いで建設業(17.5%)、専門・科学・技術活動(17.0%)、卸売・小売業(14.9%)と続いた 。また、投資元の地域別内訳では、欧州連合(European Union)からの投資が全体の67.6%と大部分を占め、次いでアジア諸国が8.4%であった。
タバコヴィッチ総裁はスピーチの中で、同年の海外直接投資の流入減少はセルビア単独の問題ではなく、周辺国でも共通して見られる傾向であると指摘した。その主な背景として、貿易政策の厳格化や地政学的緊張の高まりによる世界的な不確実性の増大を挙げたほか、セルビア国内の社会的・政治的緊張も影響していると説明した。このような長期化する世界的な不確実性や保護主義の台頭に加え、セルビア石油産業(NIS)に対する米国の制裁措置などが重なり、2025年の国内総生産(GDP)成長率は2.0%へと減速を余儀なくされた。
一方で、マクロ経済の先行きについては底堅い見通しが示されている。タバコヴィッチ総裁は、2025年12月時点で2.7%まで低下したインフレ率が、2026年末にかけて同国の目標範囲内である約4%で安定的に推移すると予測している 。さらに、ハンガリー企業によるNISの過半数株式取得に向けた暫定合意によりエネルギー供給の懸念が緩和される見通しであることや、2027年ベオグラード国際認定博覧会(EXPO2027)に向けたインフラ投資プログラムによる資本形成の増加などを背景に、経済成長率は2026年に3.5%、2027年には約5%へと力強い回復を見せると強調した。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)




























































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