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セルビア政府、2027年ベオグラード万博に向け、米アーチャー・アヴィエーションと「空飛ぶクルマ」導入に向けた協定を締結

1月21日、スイスのダヴォス(Davos)で開催中の世界経済フォーラム(WEF)において、セルビア政府は米国のeVTOL(電動垂直離着陸機)開発企業であるアーチャー・アヴィエーション(Archer Aviation)と、セルビア国内におけるエアタクシー・サービスの導入に向けたパートナーシップ協定を締結した。同協定は、ヴチッチ(Aleksandar Vučić)大統領およびアーチャー・アヴィエーションのゴールドスタイン(Adam Goldstein)創業者兼CEOの立ち合いのもと、マーリ(Siniša Mali)第一副首相兼財相と同社のゴエル(Nikhil Goel)最高商務責任者によって署名された。

セルビア財務省プレスリリース及びアーチャー社プレスリリースによれば、今回の合意により、セルビア政府はアーチャー・アヴィエーションを優先的なeVTOLパートナーとして選定し、同社の主力機体である「ミッドナイト(Midnight)」を最大25機購入するオプション権を確保した。これにより、2027年に首都ベオグラードで開催される認定国際博覧会(EXPO 2027)において、同社が公式エアタクシー・パートナーとして輸送サービスを提供する計画となっている。

出典:Archer

ヴチッチ大統領は署名式において、世界最高峰の技術を持つ企業との長期的な協力関係の重要性を強調し、米国の最先端技術をセルビアに導入することへの期待を表明した。また、マーリ大臣も、EXPO2027を契機として新技術や人工知能(AI)などのイノベーションへの投資を加速させ、セルビアが未来へ向けて飛躍するための象徴的な一歩であると評価している。

アーチャー・アヴィエーション側にとっても、この提携はアラブ首長国連邦、サウジアラビア、インド、日本、韓国などに続く国際的な事業展開の一環として位置づけられている。ゴールドスタインCEOは、セルビアを強力なヴィジョンを持つパートナーであると称賛し、数十年単位での協力関係構築に意欲を示した。同社の機体「ミッドナイト」は、充電時間を最小限に抑えつつ、約30キロメートルから80キロメートルの距離を連続して飛行できるように設計されており、都市部の新たな移動手段として期待されている。

さらに、今回の合意には機体の導入だけでなく、産業開発に関する戦略的対話も含まれている点が注目される。具体的には、レアアース磁石やバッテリー製造に不可欠な重要鉱物資源に関する協力の可能性が模索されており、セルビアが有する資源のポテンシャルとアーチャー・アヴィエーションの技術ニーズが結びついた包括的な提携関係への発展が示唆されている。

EXPO 2027は「人類のための遊び:全ての人のためのスポーツと音楽(Play for Humanity: Sport and Music for All)」をテーマに、2027年3月15日から8月15日まで開催される予定であり、120カ国以上の参加と400万人以上の来場者が見込まれている。セルビア政府は同イベントに向けたインフラ整備等に約178億ユーロを投じる計画であり、今回のエアタクシー導入合意も、ベオグラードを次世代交通システムの世界的ショーケースとする国家戦略の一環であると言える。

(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)

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