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【報道】西バルカン諸国の運送業者、EUの滞在制限規則を巡り再度の国境封鎖を検討か

西バルカン各国報道によれば、2月16日、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、北マケドニア、モンテネグロの運送業者団体は、欧州連合(European Union)のシェンゲン協定(Schengen Agreement)加盟国における非EU市民の滞在制限を巡る問題で、EU側が解決策の提示を拒んだことを受け、再び国境封鎖に踏み切る検討を開始した。

この問題の背景には、2025年10月に導入され、本年4月10日から本格的な運用が予定されている新たな欧州出入国システム(Entry/Exit System:EES)がある。同システムで規定されている「180日間のうち最大90日間」という滞在制限ルールは、西バルカン諸国の運送業者にとって、運転手がシェンゲン圏内で活動できる期間を実質的に月間15日間に制限するものであり、物流への深刻な影響が懸念されている。

セルビア国際道路運送業者協会(Poslovno udruženje “Međunarodni transport”:MT)のマンディッチ(Nedjo Mandic)代表は、国内通信社「ベータ(Beta)」に対し、業界側が提示した全ての提案がEU側から「非現実的」として退けられたことを明らかにした。マンディッチ氏によれば、EU側はEESの柔軟な運用に関する選択肢を一切示しておらず、直近の2月15日だけでも、ボスニア・ヘルツェゴヴィナとクロアチアの国境であるスヴィライ(Svilaj)検問所において、滞在許容日数の超過を理由に10名の運転手が入国を拒否された。

モンテネグロ国内紙ヴィイェスティ(Vijesti)が報じたところによれば、EU側は解決策として、運転手が特定のEU加盟国で査証(ビザ)を申請し、90日を超える滞在を可能にすることを提案した。しかし、運送業者側は、この措置が運転手のEU加盟国への移住や、EUの運送会社への転職を促進する「人材流出」を招くと主張している。また、自国の運送会社が拠点をEU圏内に移転せざるを得なくなるなど、複雑かつ不利益な状況に追い込まれるとして、この提案を拒否している。

西バルカン諸国の運送業者団体は、本年1月にも数日間にわたる国境封鎖を実施したが、欧州委員会(European Commission)が協議に応じる姿勢を示したことで抗議活動を一時休止していた。しかし、次回の協議が2週間後に予定されているものの、EU側の強硬な姿勢に変化は見られない。これを受け、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、北マケドニア、モンテネグロの団体は、新たにアルバニアからの参加も視野に入れつつ、2月末から3月初旬にかけて再び国境封鎖を再開する可能性を強めている。

(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)

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