【報道】ハンガリー外相「独が撤退したスルプスカ共和国の事業はハンガリーが引き継ぐ」

ボスニア国内報道によれば、11月12日、シーヤルトー(Péter Szijjártó)ハンガリー外務貿易大臣は、スルプスカ共和国(RS、ボスニア・ヘルツェゴヴィナを構成する二つの政体のうちの一つであり、住民の大半はセルビア人)のヤホリナで開催された「インベスト・スルプスカ2024」会議において、ドイツが撤退した3つのエネルギー関連プロジェクトについて、ハンガリーが引き継いで実施する意向を表明した。

ハンガリーが引き継ぐとしたのは、トレビニェでの太陽光発電事業、グラディシュカの下水処理施設整備及びベルコヴィチにおける風力発電所整備事業で、これらの事業総額は約1億4,000万ユーロ規模にのぼると見られている。

これらの事業はドイツ政府の支援の下で策定・実施されていたが、RSのボスニアからの独立を掲げるドディック(Mirolad Dodik)RS大統領の分離主義的政策を理由に、2023年8月にドイツはこれらの事業からの撤退を決定していた。

シーヤルトー大臣はまた、ハンガリーの支援プログラムを通じて、スルプスカ共和国の約1万8000人の農家に対して2,600万ユーロの支援が提供され、57のハンガリー企業から4,700台の農業用機械等が購入されたことを報告した。シーヤルトー大臣は、このプログラムの成功を受けて、同様の支援をスルプスカ共和国の中小企業にも拡大する方針を示した。

シーヤールトー大臣は、米国大統領選挙でのトランプ氏の勝利に言及し、「新しい現実」が始まったと指摘した。同大臣は、オーストリア議会選挙での自由党の勝利、ボスニア選挙でのドディック氏率いる独立社会民主主義者同盟(SNSD)の勝利と合わせ、平和と愛国主義を支持する勢力の台頭を評価した。さらに、これらの政治的変化により、「制裁に基づく現在の政策を停止し、選出された指導者との文明的で文化的な対話を行う時期が来た」と述べ、西バルカン地域のEU加盟プロセスの加速と経済発展プログラムの共同実施を含む、ハンガリーの「責任ある近隣政策」の継続を表明した。

(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)

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