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【報道】ノヴィ・サド駅崩落事故被害について、セルビア国内裁判所が国と国営企業に初の賠償命令

7月22日、セルビアのノヴィ・サド(Novi Sad)高等裁判所は、2024年11月に発生した同市鉄道駅の天蓋崩落事故を巡り、犠牲者の一人の遺族に対し、国と国営鉄道インフラ会社「セルビア鉄道インフラ公社(Infrastruktura Zeleznice Srbije)」が連帯して賠償金を支払うよう命じる初の判決を下した。裁判所報道官が地元メディアの取材に対して明らかにした。

同裁判所が明らかにした内容によると、原告4名に対し、近親者の死亡によって生じた非物質的損害への賠償として、合計1,950万ディナール(約166,400ユーロ)の支払いが命じられた。この判決は同種の訴訟で初のものであり、現在他に6件の訴訟が係争中だとされている。なお、判決は最終的なものではなく、被告である国と鉄道インフラ会社は控訴することが可能である。

この事故は2024年11月1日、3年にわたる改修工事を終え、公式に再オープンしてからわずか4ヶ月後に発生した。コンクリート製の屋根が崩落し、最終的に16人が死亡、1人が重傷を負う大惨事となった。刑事責任を巡っては、検察当局が2024年12月にゴラン・ヴェシッチ(Goran Vesic)元インフラ大臣ら13人を起訴したが、高等裁判所は2025年4月、「起訴のメリットを検討できるよう事態をより明確にするため」として、捜査の補完を命じ起訴状を検察に差し戻している。

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駅舎の改修は中鉄国際集団(China Railway International Co.)と中国交通建設(China Communications Construction Company)のコンソーシアムが施工し、フランスのEgis社が監督を担当した。この大惨事は、改修工事における汚職や不正が原因であるとの疑惑を国民の間に広げ、セルビア全土で学生が主導する大規模な反政府抗議活動の引き金となった。

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事故以降、抗議活動は激化の一途をたどり、6月末には首都ベオグラード(Belgrade)で大規模な集会が開かれた後、全国的な道路封鎖を含む市民的不服従キャンペーンへと発展した。アレクサンダル・ヴチッチ(Aleksandar Vučić)大統領は、抗議活動が政府転覆を目的としていると非難する一方、学生や市民らは早期の議会選挙を要求しており、国内の政治的緊張は極度に高まっている。

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(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)

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