セルビア政府が若年者向け住宅ローンプログラムの詳細を発表

セルビア政府は、若年層の初回住宅購入を支援する4億ユーロ規模の住宅ローンプログラムを3月から開始すると発表した。このプログラムの総額のうち、1億3,000万ユーロは国からの直接的な給付金として提供される。

(Aleksandar Vučić)ヴチッチ大統領は12月21日に行った記者会見の中で、「20歳から35歳を対象とするこのプログラムは政府保証制度に裏付けられ、アパート、一戸建て住宅、建物の一部を含む計5,500戸の住宅購入を支援する」と説明した。また4億ユーロのプログラム予算のうち、1億3,000万ユーロは「国からの直接的な給付」として提供されると述べたが、その詳細は明かさなかった。

ヴチッチ大統領は「これは社会政策ではなく、セルビアの経済的、人口動態的、発展的な未来のための施策」と強調し、学生や失業者も対象になると付け加えた。

 
 
 
 
 
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プログラムの主な特徴は以下の通りとなっている。

  • 頭金の下限を現行の10〜20%から1%に引き下げ
  • 最長返済期間を40年に設定
  • 対象物件の上限価格は10万ユーロ
  • 1年間の返済据置期間を設定
  • 返済開始から6年目までは固定金利3.5%(うち2%を政府が補助することにより実質金利1.5%)
  • 7年目以降は3ヶ月または6ヶ月ものEURIBORに2%を加えた変動金利を適用
  • 返済開始から10年間、借入額の最大40%を政府が保証

実際の融資実行にあたっては、国営の郵便銀行(Banka Poštanska štedionica)がプログラムの中心的役割を担うとしつつ、他の銀行の参加も促すとされている。

セルビア中央銀行(NBS)は23日、このプログラムの実施を支援するため、銀行の頭金要件引き下げと住宅ローンのリスクウェイト35%適用を認める規制を採用したと発表した。

セルビア各地では、11月に発生したノヴィ・サド駅屋根崩落事故に対する抗議運動が広がっており、特に各地の大学では学生が大学校舎を占拠するなど、若者による抗議運動が大きな広がりを見せている。セルビア国内では、今回の若年者向け住宅ローン施策は、そうした若年者層の不満に対応することを目的とした政権側の懐柔策の一環であるとする指摘もなされている。

参考記事

(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)

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