セルビアに滞在する移民の数が大幅に減少

スタニサヴリェヴィッチ(Natasia Stanisavljevic)セルビア難民・移民弁務官は、現在セルビアに滞在している移民の数が2023年の同時期と比較して約80%減少し、国内の受け入れ施設に滞在しているのは約450人であると述べた。
8月2日に公共放送RTSのインタビューに応じて述べたもので、スタニサヴリェヴィッチ弁務官によれば、現在の滞在数に合わせてセルビア国内の移民・難民受け入れ施設および難民申請センターの数が削減され、9月1日からは国内で7つのセンターが稼働する予定だとされている。
7月26日、セルビア難民・移民問題委員会は、移民の流入数の減少を受け、シド、ディミトロフグラード、キキンダにある移民・難民受け入れ施設を閉鎖する一方、スイェニツァ、オブレノヴァツ、ヴラニェ、クルニャチャにある難民申請センター、およびブヤノヴァツ、プレシェヴォ、プリンツィポヴァツにある受け入れ施設は引き続き稼働を継続すると発表している。
スタニサヴリェヴィッチ弁務官はまた、移民の流入が再び増加する可能性に備えて、委員会は準備を整えていると述べた。


2015年の欧州難民危機以来、セルビアは、いわゆる「バルカン・ルート」と呼ばれる、中東やアフリカ、アジアからEU圏内を目指す移民・難民の移動経路の一部となっており、ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルによるガザ侵攻等を受け、2022年以降、セルビアに流入する移民・難民の数が増加傾向にあった。

そうした状況を受け、セルビアは2021年より、EUとの間でセルビア国境管理に関する協力合意を締結し、EU加盟国の国境管理当局要員のセルビア国内常駐を含め、セルビアとハンガリー及びブルガリアとの国境において、不法移民や人身売買の取り締まりに関する欧州国境沿岸警備機関(Frontex)との共同作戦を展開している。今年6月には、EUとの協力協定を改訂し、新たにセルビアとボスニア・ヘルツェゴヴィナ及び北マケドニアとの国境においても、Frontexとの共同作戦を展開することに合意している。

(アイキャッチ画像はセルビアからクロアチアへ徒歩で入国しようとするシリア難民、出典:Shutterstock)

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