
米国制裁下のルクオイル、海外資産のグンヴォルへの売却に合意
10月30日、ロシアの石油大手ルクオイル(PJSC “LUKOIL”)は、米国による制裁措置を理由に、同社の海外資産を国際エネルギー商品取引会社グンヴォル(Gunvor Group Ltd.)へ売却することで合意したと発表した。
ルクオイルのプレスリリースによれば、同社は海外資産を保有する100%子会社ルクオイル・インターナショナル(LUKOIL International GmbH)の買収提案をグンヴォルから受け、これを受諾した。ルクオイル・インターナショナルはオーストリアのウィーンに本社を置き、世界約50カ国で100以上の子会社を統括している。ルクオイルは既にグンヴォルと取引の主要条件について合意しており、他の潜在的な買い手とは交渉しないとしている。
取引の最終的な拘束力を持つ契約の締結は、グンヴォルが米国財務省外国資産管理室(U.S. Office of Foreign Assets Control, OFAC)からの承認や、その他の必要な許認可を取得することを条件としている。現在OFACが設定している(資産整理のための)ライセンスは11月21日に期限切れとなるが、両社は必要に応じて、取引完了までの事業継続と銀行業務を確保するために、既存ライセンスの延長や追加ライセンスを申請する方針である。ルクオイルは、今回の売却が「一部の国が当社および当社子会社に対して導入した制限措置によるもの」であると説明している。
米国財務省は先週、ウクライナでの戦争を巡りロシア政府への圧力を強めるため、ルクオイルへの制裁を発表しており、これを受けてルクオイルは週明けに国際資産を売却する計画を明らかにしていた。
ルクオイルは東南ヨーロッパ地域において、ブルガリアでバルカン半島最大級のルクオイル・ネフトヒム・ブルガス(Lukoil Neftohim Burgas)製油所を、ルーマニアでペトロテル(Petrotel)製油所を所有している。また、セルビア、モンテネグロ、北マケドニアに加え、モルドヴァ、クロアチアにおいても燃料小売ネットワークを展開している。
一方、買収側であるグンヴォルはスイスのジュネーヴに本社を置く、世界最大級の独立系商品取引会社の一つである。歴史的に石油取引が中心であったが、現在はバイオ燃料、天然ガス、再生可能エネルギーが取引量の約半分を占めている。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)





































































 
 
 
 
 
 
 
 
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