
セルビアが拡充した石油備蓄施設の稼働を開始:エネルギー安全保障の強化へ
1月30日、セルビアのジェドヴィッチ=ハンダノヴィッチ(Dubravka Đedović Handanović)鉱業・エネルギー相は、スメデレヴォ(Smederevo)に新設された石油製品貯蔵タンクを視察し、最初のユーロディーゼルの注入が開始されたことを発表した。今回稼働したのは、新たに建設された合計6基のタンクのうち、2025年末に完成した4基である。ジェドヴィッチ=ハンダノヴィッチ大臣は、これら4基には約6万4,000トンのユーロディーゼルが貯蔵される予定で、既に船便での搬入が始まっており、今週末までに計2万6,000トンが届く見込みだと発表した。
セルビア政府プレスリリースによれば、残る2基のタンクについては、当局の承認を経て2月中旬までに稼働する予定となっている。これにより、ガソリン約3万2,000トンが追加され、スメデレヴォの施設全体では約9万6,000トンの石油製品が貯蔵可能となる。ジェドヴィッチ=ハンダノヴィッチ大臣は、過去3年間でセルビアの石油製品の強制備蓄量は、平均日次輸入量の33日分から現在の水準である52日分へと増加したことを強調した。セルビア政府は2026年中にさらに15日分を積み増し、約70日分の備蓄を確保することを目標としている。これは4年前の備蓄水準の約2倍に相当する。
今回の備蓄拡充の背景には、セルビア国内のエネルギー供給をめぐる厳しい国際情勢がある。セルビア唯一の石油精製業者であるNIS(Naftna Industrija Srbije)は、筆頭株主がロシア企業であることから米国の制裁対象となった。この影響で2025年10月からクロアチアのヤナフ(Janaf)パイプラインを通じた原油輸入が遮断され、同年12月にはパンチェヴォ(Pančevo)精製所が操業停止に追い込まれた。
ジェドヴィッチ・ハンダノヴィッチ大臣は、この約100日間にわたり原油が全く輸入されない状況下でも、過去3年間で積み増してきた備蓄と政府の綿密な計画により、市民生活に混乱が生じなかったと強調した。
米国財務省外国資産管理室(OFAC)は、NISに対して2026年1月23日まで、その後さらに2月20日までの期限付きで操業継続を許可するライセンスを付与した。これに伴い、ヤナフを通じた原油配送も一時的に再開されている。
現在、NISのロシア側株式については、ハンガリーの石油大手MOL(Magyar Olaj- és Gázipari Nyilvánosan Működő Részvénytársaság)への売却交渉が進められている。ジェドヴィッチ・ハンダノヴィッチ大臣は、政府がこの交渉を通じてセルビアの保有比率を高め、経営の管理権を強化するとともに、2008年当時よりも高い利益配分を得られるよう外交交渉を継続していると述べた。
今回スメデレヴォに建設されたタンクはすべてセルビア政府の所有であり、うち2基は鉱業・エネルギー省傘下のエネルギー貯蔵局が、4基は共和国商品備蓄局(Republička direkcija za robne rezerve)が管理する。総投資額は約40億ディナール(約3,410万ユーロ)に上っている。
(アイキャッチ画像出典:Ministarstvo rudarstva ienergetike)





























































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