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セルビア政府、2026年内のビストリツァ揚水発電所準備工事着工を表明:JICA代表団が訪問し協議が進展

1月22日、セルビアのジェドヴィッチ=ハンダノヴィッチ(Dubravka Đedović Handanović)鉱業・エネルギー相は、ベオグラードを訪問した国際協力機構(JICA)代表団と会談し、同国のエネルギー分野における最優先プロジェクトの一つであるビストリツァ(Bistrica)揚水発電所の建設に向けた準備工事を2026年内に開始する方針を明らかにした。

ジェドヴィッチ=ハンダノヴィッチ大臣は同会談後、ソーシャルメディアを通じて声明を発表し、主要工事に関する建設許可は2027年初頭に見込まれていると言及した。その上で、日本側のパートナー機関であるJICAに対し、プロジェクトの早期実現段階への移行を確実にするため、資金調達の枠組みと今後のプロセスの明確化を求めたことを強調した。計画されているビストリツァ揚水発電所の設備容量は約650メガワット(MW)であり、太陽光や風力といった再生可能エネルギーの出力変動を調整する「天然の蓄電池」としての役割を担うことから、セルビアのエネルギー部門における脱炭素化目標の達成に不可欠なインフラと位置付けられている。

本プロジェクトはセルビア西部のウヴァツ(Uvac)川およびリム(Lim)川流域に位置しており、総工費は約10億ユーロ(約12億ドル)と試算されている。セルビア政府は2031年までの完成を目指しており、既に2024年10月には空間計画が採択されている。技術面においては、2025年2月に国営電力公社(Elektroprivreda Srbije: EPS)が、日本の三菱商事から建設技術の提供を受ける用意があるとの意向を示しており、日本企業の技術活用も視野に入っている。なお、ジェドヴィッチ=ハンダノヴィッチ大臣は2025年11月の時点で、JICAによる融資承認の前提条件として、環境影響評価(EIA)調査を最終化する必要があるとも述べていた。

現在、セルビア国内で稼働している揚水発電所は、同じく西部に位置するバイナ・バシュタ(Bajina Bašta)発電所(614MW)のみである。EPSが運営する16の水力発電所の総設備容量は3,008MWに達し、これは同社の総発電能力の約37%を占めている。2024年のEPSの総発電量は31,861ギガワット時(GWh)であり、そのうち水力発電が32.2%を寄与した。セルビア政府はエネルギー安全保障の強化を目指し、将来的には2038年までにルーマニア国境のドナウ川においてジェルダップ3(Đerdap 3)揚水発電所の開発も計画している。

(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)

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