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欧州投資銀行、セルビアの医療・下水インフラ整備1億9250万ユーロを拠出

11月3日、欧州連合(EU)の政策金融機関である欧州投資銀行(European Investment Bank, EIB)の国際開発部門であるEIBグローバル(EIB Global)は、セルビアの医療センター改修と首都ベオグラードの下水網整備のため、総額1億9,250万ユーロの資金パッケージを拠出することを発表した。このパッケージは、医療インフラ向けの1億5,700万ユーロの融資と、EUの西バルカン投資枠組(Western Balkans Investment Framework, WBIF)を通じた下水インフラ向けの3,550万ユーロの無償資金で構成される。

EIBプレスリリース及びセルビア財務省プレスリリースによれば、1億5,700万ユーロの融資は、ベオグラード、ノヴィ・サド(Novi Sad)、クラグイェヴァツ(Kragujevac)、ニシュ(Niš)の主要4都市にある臨床医療センターの近代化、改修、拡張に充てられる。セルビア財務省によると、これは総額6億6,200万ユーロと見積もられる医療インフラ近代化プロジェクトの第2フェーズの始まりとなる。EIBは第2フェーズ全体で合計3億1,500万ユーロの融資を提供する計画であり、今回署名された1億5,700万ユーロに加え、2026年にも1億5,800万ユーロの融資契約が予定されている。残りの3億4,700万ユーロはセルビア政府予算から拠出される。マーリ(Siniša Mali)財務大臣兼第一副首相は、プロジェクト全体の完了が2032年末に予定されていると述べた。なお、第1フェーズにおいて、セルビアはEIBから既に合計2億ユーロの融資を受けている。

一方、3,550万ユーロの無償資金は、ベオグラード市パリルラ(Palilula)区の下水網建設プロジェクトに割り当てられ、約86,000人の住民の衛生環境と公衆衛生の改善が見込まれている。セルビア政府欧州統合省のスタロヴィッチ(Nemanja Starović)大臣によれば、この下水プロジェクトの総事業費は8,540万ユーロにのぼり、今回の無償資金に加え、EIBからの3,500万ユーロの融資、およびベオグラード市による1,490万ユーロの投資によって賄われる。

ベオグラードで行われた署名式典で、EIBのデ・フロート(Robert de Groot)副総裁は、「これらの投資は医療へのアクセスを改善し、セルビア国民の幸福を向上させる。結果として、より効率的な医療サービスと、よりクリーンな環境がもたらされるだろう」と述べた。マ-リ財務大臣は、「医療機関の強化と近代化はセルビア政府にとって戦略的に重要であり、EIBのようなパートナーの助けを得て投資の波を続けている」と強調した。また、駐セルビアEU代表部のハラチェヴァ(Plamena Halacheva)次席代表は、下水プロジェクトがサヴァ(Sava)川やドナウ(Danube)川の環境保護にも寄与する重要な取り組みであると評価した。

(アイキャッチ画像出典:セルビア財務省)

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