ノヴィ・サド駅舎崩落事故に関し11名が逮捕される:逮捕者に前担当大臣が含まれるとの報道も
11月21日、ノヴィ・サド高等検察局は、今月1日に発生したノヴィ・サド駅での屋根崩落事故に関連し、鉄道会社関係者ら11名の身柄を拘束したと発表した。セルビア国内メディアは、身柄を拘束された対象の中には、先日自身を表明したヴェシッチ(Goran Vesić)前建設・運輸・インフラ大臣が含まれていると報じている。
ノヴィ・サド高等検察庁は、容疑者のうち4人を「公共の安全に対する重大な違反と公共の危険の惹起」の疑いで、7人を「公共の安全に対する重大な違反と不適切な建設工事の実施」の疑いで調査していると発表した。またこのほかに1名についての身柄拘束の指示が発出されているが、所在不明となっていると発表されている。
セルビア公共放送RTSやN1等の報道によれば、身柄を拘束された関係者には、ヴェシッチ前大臣のほか、アニタ・ディモスキ建設・運輸・インフラ相鉄道担当補佐官、イェレナ・タナスコヴィッチ・セルビア鉄道インフラ公社総裁代行、ネボイシャ・スルラン前同社総裁が含まれると見られている。
一方、ヴェシッチ前大臣は自身のInstagramアカウントを通じて、自分は逮捕されたのではなく「警察からの召喚に自主的に応じた」と説明しており、またノヴィ・サドに赴き事故に至った状況の全容解明のため捜査当局に協力する意向を示している。
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事故後、セルビア政界では閣僚の辞任が相次いでいる。ヴェシッチ前大臣は11月4日に「道義的理由」で大臣職辞任を表明し、タナスコヴィッチ総裁代行は11月20日に辞任。さらに、駅舎工事開始当時の建設・運輸・インフラ大臣であったモミロヴィッチ(Tomislav Momirović)通商大臣も20日に辞任を表明した。
15名が犠牲となった1日の事故発生以降、セルビア市民らは事故の責任追及を求めて抗議活動を継続している。ノヴィ・サド市裁判所前では2日間にわたって建物の封鎖が行われ、21日も抗議活動は続いている。20日には警察が裁判所建物の警備のため機動隊を配置し、抗議運動に参加していた野党政治家や市議会議員らを強制的に排除する事態も発生した。
事故が発生したノヴィ・サド駅舎は、中国企業が主導したセルビアの鉄道インフラ整備の一環として2021年から改修工事が行われ、2022年のセルビア議会選挙期間中に完成が宣言されたが、実際の工事は2024年7月まで続いていたとされている。セルビア国内メディアによれば、この改修工事に関する文書は機密指定されている。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)
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