セルビアとアゼルバイジャンの大統領がセルビアでのガス火力発電所建設について協議
11月11日、アリエフ(Ilham Aliyev)アゼルバイジャン大統領と会談したヴチッチ(Aleksandar Vučić)セルビア大統領は、セルビア南部の都市ニシュに新たなガス火力発電所を建設する共同プロジェクトについて、アリエフ大統領と協議したことを明らかにした。
ヴチッチ大統領は、バクーで開催されたCOP-29気候変動サミットへの出席のためにアゼルバイジャンを訪問した際にアリエフ大統領と会談を行った。
ヴチッチ大統領は「この発電所の建設によってセルビアの今後12年間の電力供給が確保される」と述べた。
ヴチッチ大統領によれば、アゼルバイジャンは1ギガワットの発電能力を持つ発電所を建設してきた実績があるのに対し、セルビアではこれまで主に300メガワットから350メガワット規模の発電所を開発してきている。セルビアは現在、350メガワット規模の発電所を2基建設するか、もしくは1ギガワット規模の発電所を1基建設するかの選択肢を検討している。このプロジェクトの総費用は12億から13億ユーロ(約13.5億ドル)と見積もられている。
セルビアとアゼルバイジャンはエネルギー分野での関係を急速に強化してきており、これは、セルビアがロシア産ガスへの依存度を低減させようとする動きの一環であると見られている。
2023年9月には、セルビアの国営天然ガス会社スルビヤガスが、2023年11月1日から2024年3月31日までの期間、アゼルバイジャンの国営石油・ガス会社SOCARから日量100万立方メートルの天然ガスの追加供給を受ける契約を締結した。
さらに2023年11月には、2024年から2026年にかけて年間最大4億立方メートルのアゼルバイジャン産ガスをセルビアに供給する協定を締結しており、この中には2027年以降の供給量を年間最大10億立方メートルまで増加させるオプションも含まれている。
また、2024年9月には、両国間でグリーンエネルギー分野における協力に関する覚書及びアゼルバイジャン産ガスの追加供給に関する契約が締結されている。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)
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