
セルビア経済、2025年第2四半期成長率は2.0%-減速傾向鮮明に
7月31日、セルビア統計局は、2025年第2四半期の国内総生産(GDP)が実質成長率について、前年同期比2.0%との速報値を発表した。この数値は、2025年第1四半期と同水準となっている。同統計局は、詳細な統計については9月1日に公表するとしている。
2024年に3.9%の経済成長を達成したセルビア経済は、2025年に入り減速傾向にある。この背景には、世界的な貿易摩擦に加え、国内の政治的な不確実性の高まりがあるとされる。セルビア政府関係者は、特に2024年11月にノヴィ・サド(Novi Sad)で発生した鉄道駅での死亡事故をきっかけに、責任追及を求める学生主導の抗議活動や道路封鎖が続いていることが、経済活動の重しになっていると指摘している。
こうした状況を受け、国際通貨基金(International Monetary Fund, IMF)、世界銀行(World Bank)、欧州委員会、欧州復興開発銀行(European Bank for Reconstruction and Development, EBRD)、そしてセルビア中銀(Narodna banka Srbije, NBS)といった主要機関は、相次いで2025年のセルビアの経済成長見通しを下方修正している。その主な理由として、主要な貿易相手国からの需要の減退や国内の政治不安などが挙げられている。一方で、これらの機関は、将来的にはセルビアの経済成長が再び加速するとの見方では一致している。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)
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