セルビアとモンテネグロが共同でベオグラード=バール間鉄道改修事業への支援をEUに要請
9月2日、セルビア政府とモンテネグロ政府は、ベオグラード=バール間鉄道の改修事業に対する支援をEUに対し要請するための共同書簡に署名した。
セルビア政府プレスリリースによると、共同書簡は、セルビアのヴェシッチ(Goran Vesić)建設・運輸・インフラ大臣と、モンテネグロのヴキチェヴィッチ(Maja Vukićević)運輸大臣によって署名された。
ヴェシッチ大臣は、ゾゴヴィッチ(Milun Zogović)モンテネグロ副首相及びヴキチェヴィッチ大臣との会談において、地域協力、特にモンテネグロとのインフラプロジェクトにおける協力がセルビアにとって極めて重要であると強調した。ヴェシッチ大臣はまた、ベオグラード=バール間鉄道はセルビアにとって最優先の鉄道プロジェクトであると述べ、このプロジェクトの完了後は、北マケドニアのスコピエとベオグラードを結ぶ鉄道路線の改修に焦点を当てると付け加えた。
ベオグラード=バール間鉄道については、セルビア側区間が210km、モンテネグロ側区間が160kmの改修が必要とされており、セルビア側区間の改修費用は15億~20億ユーロと見込まれている。
この共同書簡は、両国が欧州委員会に対して、EUによる西バルカン向け支援資金からベオグラード=バール間鉄道改修事業への拠出を認めるよう共同で要請することを目的としている。ヴェシッチ大臣は、この鉄道がヨーロッパで建設された中でも最も困難な工事を必要とする鉄道の一つであると評価した。
またこの会談では、現在進行しているセルビア・モンテネグロ間の高速道路建設についても議論され、残された整備区間であるセルビア側区間(108km)及びモンテネグロ側区間(50km)を建設するためのパートナーを両国が共同で探す試みを行うことが話し合われた。
昨年11月、欧州委員会は西バルカン新成長計画を採択した。この計画は、EUの単一市場との経済統合強化、地域経済協力の促進、基本的改革の加速、財政支援の提供という4つの柱に焦点を当てている。EUの財政支援パッケージは、2024年から2027年の期間をカバーし、約20億ユーロの補助金と40億ユーロの融資によって構成されている。これは西バルカン地域のEU関連改革を支援し、同地域とEUとの経済的連携を促進することを目的としている。
(アイキャッチ画像はセルビア・モンテネグロ国境地帯を走る列車、出典:Shutterstock)
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