
NIS、MOLへの株式売却合意に伴い米国制裁のライセンス延長を申請
1月20日、セルビアのジェドヴィッチ=ハンダノヴィッチ(Dubravka Djedović Handanović)鉱業・エネルギー大臣は、公共放送RTSのインタビューに対し、同国の石油大手であるセルビア石油産業(Naftna Industrija Srbije:NIS)の株式過半数を保有するロシアのガズプロム・ネフチ(Gazprom Neft)が、その保有株式をハンガリーの石油ガス大手MOLに売却することで基本合意に達したことを受け、NISが米国財務省外国資産管理室(Office of Foreign Assets Control:OFAC)に対して事業ライセンスの延長を申請したと明らかにした。
ジェドヴィッチ=ハンダノヴィッチ大臣によると、契約全体の合意に至るまでには依然として多くの作業が残されているものの、ロシア側の筆頭株主であるガズプロム・ネフチとMOLが基本原則について合意したことは重要であり、これに基づきNISはOFACへの申請を行ったという。MOLも同日のプレスリリースにおいて、ガズプロム・ネフチが保有するNISの株式56.15%を取得するため、法的拘束力のある基本合意書(Heads of Agreement)に署名したと発表しており、双方はOFACおよびセルビア規制当局の承認を前提として、3月31日までに最終的な売買契約の締結を目指している。
今回の取引に関連し、セルビア政府はMOLとの間で覚書(MoU)を締結した。この覚書には、セルビア政府がNISへの出資比率を現在の29.87%から5%引き上げることが盛り込まれているほか、MOLはパンチェヴォ(Pančevo)にあるセルビア唯一の製油所の稼働を過去数年と同等の水準に維持し、需要が増加した場合には生産量を拡大することを確約している。
また、MOLがNISの過半数株式と経営権を維持しつつ、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ国営石油会社(Abu Dhabi National Oil Company:ADNOC)が少数株主としてNISに出資する可能性についても協議を行っている。
現在、NISの株式構造は、ガズプロムの子会社であるガズプロム・ネフチが44.85%、同じくガズプロムが間接的に支配するサンクトペテルブルク拠点の企業インテリジェンス(Intelligence)が11.3%を保有しており、ロシア側の持分は合計で56.15%に達する。米国財務省は2025年1月、ロシアによる所有を理由にNISに対する制裁を発表し、数度の延期を経て同年10月に制限が発効していた。OFACはNISからのロシア企業の完全撤退を求めており、ロシア側持分の売却交渉期限を3月24日までと設定している。
先月、OFACはNISに対し、クロアチアのJANAFパイプラインを通じた原油輸入の再開と、制裁により12月初旬に操業を停止していたパンチェヴォ製油所(年産480万トン)での生産再開を許可する一時的な事業ライセンスを付与したが、この期限は1月23日までとなっている。今回申請されたライセンス延長は、MOLへの売却手続きを完了させ、セルビア国内の燃料供給の80%を担うNISの安定的な操業を維持するために不可欠な措置である。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)





























































この記事へのコメントはありません。