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セルビア中銀、単一ユーロ決済圏登録へ:5月からの運用開始で欧州との金融統合を加速

3月4日、セルビア国立銀行(Narodna banka Srbije:NBS)は、欧州決済評議会(European Payments Council:EPC)から、単一ユーロ決済圏(Single Euro Payments Area:SEPA)のクレジット転送(CT)決済スキームへの参加、および予算利用者向けの取引実行に関する申請について肯定的評価を受けたことを発表した。これにより、NBSは3月13日付でEPCのSEPA登録者リストに正式に登録される予定となった。

NBSプレスリリースによれば、SEPAスキームに基づく決済の運用は、技術的および運用的な実施段階が完了する2026年5月5日から可能となる。NBSは、政府の銀行として、直接的および間接的な予算利用者がより効率的かつ経済的にユーロ建ての決済取引を行うことを支援し、欧州の金融フローへの統合を促進する。SEPAシステムへの加入は、決済サービスの近代化をさらに進め、欧州の最良の基準や慣行との調和を図る上での重要な進展である。

この進展は、西バルカン地域において先行してSEPAへの統合を進めてきた近隣諸国の動向に続く重要なステップである。具体的には、2024年11月に地理的範囲へ加入したモンテネグロおよびアルバニア、そして2025年3月に加入した北マケドニアが、同年10月から既に銀行間での運用を先行して開始しており、セルビアも2025年5月の地理的範囲への承認を経て、今回の登録により本格的な運用フェーズへと移行する。

SEPAスキームは、NBSの管轄下にあるユーロ建てのキャッシュレス決済を、加盟する全41カ国において有利かつ標準化された条件で実施することを可能にする。この41カ国には、欧州連合(EU)加盟27カ国、欧州経済領域(EEA)諸国(アイスランド、ノルウェー、リヒテンシュタイン)、スイス、英国に加え、アンドラ、モナコ、サンマリノ、ヴァティカン(Vatican City)、アルバニア、モンテネグロ、モルドバ、北マケドニア、そしてセルビアが含まれる。セルビアは2025年5月にSEPAの地理的範囲に加わっており、今回の登録はそのプロセスにおける具体的な節目となる。

SEPAへの加入は、セルビアの欧州統合プロセスにおける不可欠な要素であり、国内の金融システムを欧州連合(EU)の法的・制度的枠組みに適合させる大きな転換点となる。NBSは、決済スキームの直接の参加者としての役割のみならず、国内の商業銀行がSEPAシステムへ順次参加するプロセスを監視・調整する監督当局としても中核的な役割を担い、規制や技術基準の遵守を確保していく。西バルカン諸国が相次いでこの共通決済基盤に合流することは、域内における送金コストの劇的な削減や経済活動の活性化に寄与し、EUが掲げる「西バルカン成長計画」の柱である欧州単一市場への段階的参画を具体化するものと期待されている。

今回の登録により、セルビアは決済の利便性向上だけでなく、金融システムの透明性と安全性を欧州水準へと引き上げる姿勢を改めて示した。今後は、先行するモンテネグロやアルバニア、北マケドニアと同様に、民間銀行の対応が進むことで、企業や個人の経済活動における恩恵が最大限に発揮される段階へと進むことになる。

(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)

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