モンテネグロ新内閣が発足

10月31日、モンテネグロ議会(定数81)は、今年6月に投票が行われた議会選挙の結果を受けた新政府の組閣案についての採決を行い、賛成46票で組閣案を承認した。これにより、第44代内閣が成立した。新首相には、6月の選挙で第一党となった「今こそ欧州へ」(PES)のスパイッチ(Milojko Spajić)党首が就任した。スパイッチ首相は日本への留学経験があり、大阪大学及び埼玉大学で学んだ知日派の人物でもある。

新政府はPESを中心に、民主的モンテネグロ(DCG)、社会主義人民党(SNP)、アルバニア人政党のほか、親セルビアかつ親ロシア的な主張を掲げるセルビア人政党である新セルビア民主党(NSD)をはじめとしたセルビア人政党連合が参加する連立政権となった。なお、NSDのマンディッチ(Andrija Mandić)党首が議会の新議長に選出されている。現地報道等によれば、NSDは議会議長ポストに加え、今後1年半以内に予定される内閣改造の際に4名の閣僚をNSD等のセルビア人政党から入閣させることを条件に、スパイッチ政権支持を決定したとされている。

スパイッチ首相は、新政権は経済改革と司法制度改革を重視するとしたうえで、「経済政策においては生活水準の向上、政府歳入の増加、公共投資、ビジネス環境の向上を目指す。」と述べた。また外交政策に関して、「EUへの完全な加盟、能動的で信頼できるNATO加盟国としての立場の確立、近隣諸国との関係向上が優先事項である。」と述べ、欧米志向の外交政策を継続しつつ、セルビアをはじめとした隣国との関係改善に取り組む意向を明らかにした。

新政権は閣僚18名及び副首相5名によって構成される。閣僚一覧は次のとおり。

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