【報道】セルビア通商大臣が辞任を表明:駅舎崩落事故以降の閣僚辞任は2人目
セルビア国内報道によれば、11月20日、モミロヴィッチ(Tomislav Momirović)通商大臣はが辞任を表明した。今回の辞任は、今月1日に発生し15名が犠牲となったノヴィ・サド駅での駅舎屋根崩落事故に関連するものと見られているが、同大臣の報道担当者は詳細についてのコメントを控えている。
報道によれば、モミロヴィッチ大臣はヴチェヴィッチ首相に宛てた書面の中で、「内外通商相の職を辞任することをお伝えします。アレクサンダル・ヴチッチ大統領の信頼に感謝いたします」と述べているが、辞任の理由は明らかにしていない。
モミロヴィッチ大臣は2020年から2022年まで建設・運輸・インフラ大臣を務めており、この期間中にノヴィ・サド駅の改修工事が実施されていた。
ノヴィ・サド駅舎崩落事故を巡っては、既にヴェシッチ(Goran Vesić)建設・運輸・インフラ大臣(当時)が辞任しており、モミロヴィッチ大臣の辞任が事故を受けてのモノだとすれば、この事故を巡る2人目の閣僚辞任となる。
ノヴィ・サド駅の改修工事は、中国主導のセルビア鉄道インフラ整備計画の一環として2021年に開始された。セルビアの関連当局及びセルビア鉄道公社は、この工事が「欧州基準に従って」改修されたと発表してるが、工事の許認可を含む関連文書は機密指定されており、適切な審査や監督が行われていたかは確認出来ないとノヴィ・サドの地元メディアは報じている。
ノヴィ・サド口頭検察局によると、11月13日時点で66名が事故に関連して事情聴取を受けているが、逮捕者は出ていない。
事故発生以降、ノヴィ・サドや首都ベオグラードを中心に、事故の責任追及を求めるデモが連日行われており、15日にはデモ参加者によって一時的にノヴィ・サド市内幹線道路の通行が遮断されたほか、19日及び20日にはノヴィ・サドの裁判所と検察局の建物周囲が封鎖された。この抗議運動には、セルビア国民議会(国会)やヴォイヴォディナ自治州議会、ノヴィ・サド市議会の野党議員等も参加している。
事故の責任追及を巡っては、工事を主導した中国交通建設(China Communications Construction Company:CCCC)及び中鉄国際集団(China Railway International)の責任を問う声がセルビア国内では高まっているが、一方で、工事の監督と品質管理を請け負っていたとされるフランス企業エジス(Ezis)の関与の仕方にも注目が集まってきている。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)
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