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ハンガリー石油大手MOL、露ガスプロム・ネフチとNIS株式取得の主要条件で合意:セルビア政府も株式保有比率引き上げへ

1月19日、セルビアのジェドヴィッチ=ハンダノヴィッチ(Dubravka Djedović Handanović)鉱業・エネルギー相は、ロシアの石油大手ガスプロム・ネフチ(Gazprom Neft)とハンガリーの石油ガス大手MOL(MOL Hungarian Oil and Gas)が、セルビア石油産業(NIS)の売却に関する主要条件で合意に達したことを明らかにした。

ジェドヴィッチ・ハンダノヴィッチ氏が公共放送RTSおよび自身の公式ソーシャルメディアを通じて公表した内容によると、今回の合意はNISの株式の過半数を保有するロシア側持分の売却に関するものであり、最終的な取引の成立には米国財務省外国資産管理室(OFAC)による承認が必要となる。NISはロシア資本の傘下にあることから、2025年1月に米国の制裁対象に指定されていたが、OFACは制裁解除の条件としてロシア企業の完全撤退を求めており、その交渉期限を3月24日と定めている。

今回の合意に関連し、ジェドヴィッチ=ハンダノヴィッチ大臣は、セルビア政府保有するNIS株式についても、現行の保有分に加え、さらに5%追加取得する方向で調整が進んでいると述べた。現在、NISの株式構造はガスプロム・ネフチが44.85%、ガスプロム(Gazprom)の間接支配下にある露企業インテリジェンス(Intelligence)が11.3%を保有しており、セルビア政府の持分は29.87%となっている。また、同大臣は将来的な売買契約において、アラブ首長国連邦(UAE)のパートナー企業が参画する見通しであることにも言及した。これに関し、ヴチッチ(Aleksandar Vučić)大統領は以前より、アブダビ国営石油会社(ADNOC)がロシア保有分の購入に関与する可能性を示唆している。

ハンガリーのMOLは、今回の合意事項の一環として、パンチェヴォ(Pančevo)製油所の操業を現状通り継続することを確約した。これはNISが現在保持しているセルビア国内市場における高いシェアを維持するための措置であり、国内燃料供給の安定化において極めて重要な要素となる。NISは国内に327の給油所を展開し、国内燃料消費量の約80%を供給しているほか、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、ブルガリア、ルーマニアでも事業を展開し、約1万4000人の雇用を抱える地域最大級のエネルギー企業である。

NISを巡っては、対ロシア制裁の影響により、クロアチアを経由するジャナフ(JANAF)パイプラインを通じた原油輸入が制限され、2025年12月初旬にはパンチェヴォ製油所が一時的な操業停止を余儀なくされた経緯がある。OFACは2026年1月23日までの期限付きで一時的な操業ライセンスを付与しており、現在は操業を再開しているものの、恒久的な解決には期限内の所有権移転が不可欠な情勢となっていた。

(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)

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