
EUが1億7,100万ユーロ規模の西バルカン諸国向けインフラ・民間部門支援パッケージを発表
1月27日、欧州委員会(European Commission)は、西バルカン諸国のインフラ開発および民間部門の成長を支援するため、総額1億7,100万ユーロの支援パッケージを発表した。今回の支援は、域内の連結性向上と経済成長の加速を目的としたものであり、デジタル化、クリーンエネルギー、運輸、環境などの優先分野において、最終的に総額2億6,300万ユーロの投資を誘発することが期待されている。
欧州委員会プレスリリースによれば、支援額のうち、インフラプロジェクトに対して9,470万ユーロ、民間部門の成長支援に7,630万ユーロが割り当てられた。インフラ分野では、アルバニアにおける高速インターネット網の整備やドゥレス(Durrës)・ティラナ(Tirana)間鉄道の電化、北マケドニアの電力網改善、モンテネグロおよび北マケドニアの教育施設におけるエネルギー効率化、ボスニア・ヘルツェゴヴィナでの上下水道整備などが主な事業として挙げられている。また、アルバニアとボスニア・ヘルツェゴヴィナにおけるエネルギーやイノベーション分野の将来的な投資に向けた技術協力として、290万ユーロが別途計上された。
民間部門への支援については、中小企業(SME)の製品・サービスの域内および欧州連合(EU)市場への輸出促進、グリーン経済やアグリビジネスへの投資、伝統的な銀行融資に依存しない資金調達源の多様化、そしてボスニア・ヘルツェゴヴィナにおける官民連携(PPP)のガバナンス強化という4つの柱で構成されている。これらのプロジェクトは、西バルカン投資枠組み(Western Balkans Investment Framework:WBIF)運営委員会の承認を経て、順次実施される予定である。
今回の支援パッケージの資金源には、EUによる西バルカン向けの支援スキームである「第3次加盟前支援措置(Instrument for Pre-accession Assistance:IPAⅢ)」や、2024年から2027年までの総額60億ユーロ規模の支援策である「西バルカン改革・成長ファシリティ(RGF: Reform and Growth Facility)」が含まれている。RGFは、各国が実施する改革の進展に応じて資金を供与する仕組みであり、これまでにアルバニア、モンテネグロ、北マケドニアが資金の引き出しを開始している。また、セルビアについても、2026年1月12日にRGFに基づく最初の資金引き出しが欧州委員会によって承認されたばかりである。
一方、コソヴォについては事前の資金受領に必要な手続き上の条件が未整備であり、ボスニア・ヘルツェゴヴィナに関しては、2025年12月に改革アジェンダが承認されたことでようやく本格的な支援への道が開かれた段階にある。欧州委員会による今回の決定は、西バルカン諸国の経済をEU単一市場へ段階的に統合し、加盟に向けた社会経済的な収束を促す「西バルカン成長計画(Growth Plan for the Western Balkans)」の着実な進展を示すものといえる。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)


























































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