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西バルカン諸国とEU間のローミング料金撤廃へ:欧州委員会が交渉開始を提案

2月25日、欧州委員会(European Commission)は、アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、コソヴォ、モンテネグロ、北マケドニア、およびセルビアの西バルカン6カ国との間で、ローミング手数料を撤廃するための交渉を開始することを提案した。この提案は、欧州連合(EU)が域内で導入している「ローム・ライク・アット・ホーム(Roam Like at Home)」制度に西バルカン諸国を統合することを目指すものである。合意が成立し、各国の規則がEUの基準と完全に整合されれば、EUと西バルカン地域間を移動する旅行者やビジネス客は、自国内と同じ料金体系で音声通話やデータ通信、テキストメッセージを利用できるようになる。

欧州委員会プレスリリースによれば、今回の提案は、2023年に発表された「西バルカン成長計画(Growth Plan for the Western Balkans)」に基づく段階的な地域統合プロセスの具体的な一環として位置づけられている。欧州委員会は、西バルカン諸国がEUへの正式加盟を果たす前から、欧州単一市場への一部統合を通じて西バルカン諸国の市民や企業に実質的な利益をもたらすことを重視している。西バルカン地域内では、2019年に発効した地域ローミング協定によってすでに手数料の低減が進んでいるほか、EUと西バルカンの一部の通信事業者の間では、自主的な取り組みとしてローミング料金の引き下げが実施されてきた。今回の提案は、これらの既存の枠組みを拡張・公式化し、EU・西バルカンにおいて双方向でのシームレスな通信環境を構築することを目的としている。

今後の手続きとしては、まずEU理事会(Council of the European Union)から交渉権限の承認を得た後、欧州委員会が各対象国と個別の二国間協定の交渉に入る予定とされている。技術主権・安全保障・民主主義担当のヴィルクネン(Henna Virkkunen)執行副欧州委員長は、今回の提案が西バルカン諸国の「EUローミング・ファミリー」への加入に向けた重要な一歩であり、経済活動や市民生活に大きな恩恵をもたらすと述べた。また、コス(Marta Kos)拡大担当欧州委員は、国境を越えて働く労働者や家族間の連絡において、高額な請求への懸念を払拭する意義を強調した。なお、フォン・デア・ライエン(Ursula von der Leyen)欧州委員長は、2026年中にアルバニアおよびモンテネグロとの間でローミング料金の撤廃を実現させる方針を以前から示しており、地域全体の統合に向けた動きが加速している。

(アイキャッチ画像出典:European Commission)

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