欧州委員会がモンテネグロのEU加盟交渉進捗報告書を公表:汚職体躯や司法改革の進展を評価

10月30日、欧州委員会は、モンテネグロに関する2024年版のEU加盟交渉進捗報告書を公表した。

報告書において欧州委員会は、モンテネグロが2023年に汚職対策、司法改革、報道の自由に関する重要法案を採択し、EU加盟準備を加速させたと評価した。

欧州委員会は、EU加盟交渉における35の政策分野(チャプター)のうち、EUが最も重要視するチャプター23(司法及び基本的権利)とチャプター24(正義、自由、安全)について、モンテネグロが加盟に必要な暫定基準を達成したと評価した。モンテネグロは、これまでに33のチャプターについて交渉を開始し、そのうち3つについて交渉を妥結している。

経済面でのEU加盟基準の達成状況について、欧州委員会は、「モンテネグロは市場経済の機能化に向けて着実な準備を進めており、ビジネス環境の改善と国営企業改革の準備においても進展が見られる。2023年には力強い経済成長と一時的収入により小規模な財政黒字を達成した」として、肯定的に評価している。

欧州委員会はモンテネグロに対し、2026年までに、共通通貨ユーロ加盟に必要とされる財政基準(マーストリヒト収斂基準)に沿って、財政赤字を対GDP比3%未満に、公的債務残高を対GDP比60%未満に抑えるよう要求している。モンテネグロはこの目標の達成に向けて、新たな財政評議会の設立と透明性を維持した形での委員選任が必要となっている。

モンテネグロは2010年にEU加盟候補国となり、2012年よりEU加盟交渉を開始した。2023年10月に成立した現スパイッチ(Milojko Spajić)政権は、2028年までのEU加盟実現を目標として掲げている。

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