
ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、スルプスカ共和国大統領の繰り上げ選挙を11月に実施へ-ドディック氏は全面拒否の構え
8月28日、ボスニア・ヘルツェゴヴィビナ(以下、BiH)の中央選挙管理委員会(Centralna izborna komisija Bosne i Hercegovine, CIK BiH)は、同国の構成体の一つであるスルプスカ共和国(Republika Srpska, RS)のドディック(Milorad Dodik)大統領の解任に伴う繰り上げ選挙を、11月23日に実施するとの決定を発表した。これに対し、ドディク大統領は強く反発し、選挙への不参加を表明している。
CIKのハジアブディッチ(Irena Hadžiabdić)委員長が同日発表した声明によると、選挙は11月23日の日曜日に実施される。選挙費用は約646万兌換マルク(約330万ユーロ)と見積もられており、関連機関は9月12日までに資金を確保する義務を負う。CIKは、有権者名簿を8月27日時点で確定し、登録有権者数は1,266,422人であると公表した。選挙運動期間は15日間と定められている。
この決定に対し、ドディック氏は同日、自身のInstagramアカウントを通じて「BiH中央選挙管理委員会の決定は、政治的なサライェヴォがセルビア人に対して仕掛けた最新の策略だ。この選挙はスルプスカ共和国の真の願望でも要求でもない」と非難した。
さらに、自身が党首を務める独立社会民主同盟(Savez Nezavisnih Socijaldemokrata, SNSD)はRS国民議会の結論を尊重し、この選挙には参加しないと明言した。
辞任を拒否するドディック氏は、RSとして「いかなる手段をもってしても」この選挙を阻止する構えを見せており、サライェヴォの中央政府との対立は一層深まっている。
この問題の背景には、ドディック氏と、1995年のデイトン和平合意の履行を監督する上級代表クリスティアン・シュミット(Christian Schmidt)氏との長引く対立がある。RS議会は、シュミット氏の決定、BiH憲法裁判所がドディク大統領に対して下した判決、そしてCIKによる大統領任期取り消しの決定を受け入れるか否かを問う住民投票を、10月25日に実施することを既に決定している。ドディク大統領は、この住民投票の結果が妥当な期間内に認められない場合、90日以内にRSの独立を問う住民投票を実施する可能性も示唆しており、地域の緊張が高まっている。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)


































































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