
在アルバニア米商工会議所、電子政府システムの脆弱性と汚職に対し警鐘:抜本的な是正措置を要求
2月10日、在アルバニア米商工会議所(American Chamber of Commerce in Albania:AmCham Albania)は、アルバニア政府が運用する公共サービスプラットフォーム「e-アルバニア(e-Albania)」の信頼性、安全性、およびガバナンスに重大な欠陥があるとする公式声明を発表した。同会議所は、公共サービスのデジタル化に向けた政府の投資と努力を評価しつつも、現状のシステム運用が経済の安定や国家安全保障、さらにはビジネスの継続性に深刻なリスクをもたらしていると強く警告した。
米商工会議所プレスリリースによれば、同会議所の会員企業、特に情報通信技術(ICT)関連企業からは、同プラットフォームの動作不安定性に関する報告が相次いでいる。具体的には、頻繁なシステム停止、処理の遅延、ピーク時のアクセス制限などが指摘されており、これらが企業の規制遵守や日常的な業務遂行を直接的に妨げている状況にある。特に、米国政府へのサービス提供資格を持つような高度なセキュリティ基準を満たすICT企業が会員に含まれているにもかかわらず、国内の公共調達プロセスにおける透明性の欠如や、機密性の高い個人情報および資産情報の保護体制が極めて不透明であることへの懸念が表明された。
この批判の背景には、同システムの運用を担うアルバニア政府機関である情報社会庁(Agjencia Kombëtare e Shoqërisë së Informacionit:AKSHI)を巡る深刻な汚職スキャンダルが存在する。2025年12月、汚職・組織犯罪対策特別検察庁(Struktura e Posaçme Kundër Korrupsionit dhe Krimit të Organizuar:SPAK)は、公共調達における入札操作や組織犯罪への関与の疑いで、当時のカルチャナイ(Mirlinda Karçanaj)AKSHI長官および同庁職員ら計8名を訴追した。SPAKの捜査によれば、特定の企業を優遇するために入札基準を操作したほか、競合他社に対して不当な圧力をかけて不服申し立てを撤回させるなどの組織的な汚職が行われていたとされる。
この事態を受け、自宅軟禁下にあったカルチャナイ氏は2月13日に長官職を辞任し、後任にはタファ(Igli Tafa)氏が就任した。しかし、長年にわたる不透明な管理体制がシステムの質的低下を招いたとの見方は根強く、米商工会議所は単なる人事刷新に留まらない抜本的な是正措置を求めている。
具体的には、ISO/IEC 27001やEUのNIS2指令などの国際基準および欧州基準に準拠した、独立的かつ定期的なIT・サイバーセキュリティ監査を義務付ける法的枠組みの構築を提言している。また、システムの稼働率や復旧時間を保証するサービスレベル合意(SLA)の策定、技術的評価に重点を置いた能力本位の公共調達プロセスの確立、さらにはインシデント発生時の義務的な情報公開メカニズムの創設を求めている。米商工会議所は、汚職リスクを最小限に抑え、国家的な安全保障を強化するため、米国で培われたベストプラクティスや技術的専門知識を政府に提供し、協力していく意向を示している。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)




























































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