
クルティ氏が率いるコソヴォ新政権が発足:議会は同時にEUと世銀の支援パッケージを承認
2月11日、コソヴォ議会(定数120)において「自己決定運動」(Lëvizja Vetëvendosje:LVV)のクルティ(Albin Kurti)党首が首相に選出され、新政権が正式に発足した。120議席中66名の議員が賛成し、49名が反対した今回の投票により、2025年を通じて続いてきた深刻な政治的停滞に終止符が打たれた。クルティ氏は首相就任にあたり、今後4年間で西側諸国との同盟強化や国防への10億ユーロ規模の投資、欧州連合(EU)の仲介によるセルビアとの対話再開、さらには社会福祉や教育、インフラへの投資を重点的に進める方針を表明した。
新政権の発足直後、コソヴォ議会はEUおよび世界銀行との総額約10億ユーロにのぼる一連の金融支援合意を批准した。この中には、西バルカン地域を対象としたEUの「改革・成長ファシリティ」(Reform and Growth Facility:RGF)に基づく8億8,260万ユーロの支援が含まれている。この枠組みの内訳は、6億2,930万ユーロの融資と、コソヴォのEU加盟に向けた取り組みを支援する補助金で構成されている。コソヴォは2022年にEUへの加盟申請を行っているものの、依然として候補国の地位は得られていないが、2024年10月にはコソヴォの改革アジェンダがEUによって承認されていた。
議会はまた、世界銀行による複数の融資合意も承認した。「第一回財政政策・競争力・グリーン成長開発政策融資」(First Fiscal Policy, Competitiveness and Green Growth Development Policy Financing:DPF)プログラムを通じて、財政政策の有効性向上と投資環境の改善を目的に9,030万ユーロが供与される。この融資は2024年2月に世界銀行によって承認されていたものである。加えて、保健システム強化プロジェクトおよび早期教育・ケアプロジェクトに対して、それぞれ1,860万ユーロの融資が割り当てられた。これらの資金提供も2024年4月に承認されていたが、国内の政治的混乱により批准が遅れていた。
EUのカラス(Kaja Kallas)外交・安全保障政策上級代表は、新政権の成立を歓迎し、2025年の政治危機により停滞していた改革を迅速に進めるよう求めた。カラス上級代表は、これが数億ユーロ規模のEU支援を解禁し、EU加盟に向けた進展を勝ち取るための最短ルートであると強調した。また、2023年9月以来中断されているセルビアのヴチッチ(Aleksandar Vučić)大統領との高官級対話を再開する準備があるとも述べている。
After more than a year of political deadlock, the formation of Kosovo’s new government is encouraging news. Congratulations @albinkurti!
— Kaja Kallas (@kajakallas) February 11, 2026
What matters now that it moves swiftly on reforms. This is the fastest way to unlock EU support worth hundreds of millions of euros and have… pic.twitter.com/p3UUmYBIVT
野党であるコソヴォ民主党(Partia Demokratike e Kosovës:PDK)のベドリ・ハムザ(Bedri Hamza)党首やコソヴォ民主連盟(Lidhja Demokratike e Kosovës:LDK)のルミル・アブディジク(Lumir Abdixhiku)党首も、国家の利益に資する主要課題については協力する姿勢を示している。2025年12月28日の解散総選挙で51.1%の得票率を記録したクルティ氏の「自己決定運動」は、単独で政権運営が可能な議席数を確保しており、政治的安定の回復が期待される。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)




























































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