【2025年EU拡大国別進捗報告書】欧州委はボスニアのEU加盟交渉に向けた改革が停滞と指摘、首席交渉官の任命が急務

11月4日、欧州委員会は2025年版の「拡大パッケージ」を採択し、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ（BiH）に関する年次報告書を発表した。2024年3月に欧州理事会が加盟交渉の開始を決定したものの、報告書は同国の改革の動きが停滞しており、採択された改革は国境管理やデータ保護に関する法律などごく限られた数にとどまっていると指摘した。

公表された国別報告書によると、BiHはEU加盟交渉のスクリーニング・プロセス（適格性審査）を見据え、実務的な首席交渉官を任命する必要があると強調されている。また、EU法体系受容国家プログラム（the National Programme for the Adoption of the EU acquis, NPAA）の策定や、EUとの安定化・連合協定（the Stabilisation and Association Agreement, SAA）に関連する諸機関内での政策対話の促進も求められている。