
キチェヴォ・オフリド間高速道路の第2区間が開通
9月7日、北マケドニア政府は、長年の懸案であったキチェヴォ(Kičevo)・オフリド(Ohrid)間高速道路のうち、第2区間となるクリメシュタニ(Klimeshtani)村からオフリドまでの約17kmが開通したと発表した。このプロジェクトは10年近くにわたり停滞の象徴とされてきたが、今回の開通により全長の半分以上が利用可能となり、地域の経済発展に大きな期待が寄せられている。
この高速道路は、中国の中国水電集団(Sinohydro Corporation)が2014年に建設を開始した国家的な重要プロジェクトである。当初の予算は約3億7,500万ユーロであったが、建設の遅延が重なり、総工費は6億ユーロ以上に高騰していた。2024年4月には、完成期限を当初の2023年末から2026年末へと3年間延長することが決定されていた。
ニコロスキ(Александар Николоски)運輸大臣によると、今年7月に開通した第1区間(約20km)と合わせて、現在利用可能な区間は計34kmを超えた。ニコロスキ大臣は、この路線が将来的にはブコイチャニ(Bukojčani)・キチェヴォ間や建設中のブコイチャニ・ゴスティヴァル(Gostivar)間高速道路と接続され、首都スコピエ(Skopje)と世界遺産の都市オフリドを結ぶ高速道路網が2028年末から2029年初頭までに完成する見通しであると述べている。
北マケドニア政府プレスリリースによれば、開通式典においてスピーチしたミツコスキ(Христијан Мицкоски)首相は、このプロジェクトが「未完の仕事の象徴」であった過去を乗り越え、現政権が具体的な成果を出していることが強調した。ミツコスキ首相は「停滞があった場所に解決策があり、不信があった場所に結果があることを今日我々は示している」と述べ、新政権発足後1年半足らずで、今回の区間を含め合計87.5kmの新たな道路を整備した実績をアピールした。
ミツコスキ首相はさらに、この高速道路が南西マケドニアと国全体を結ぶ主要な動脈となり、オフリド地域の観光業や地域経済に新たなエネルギーを吹き込むものとの期待が表明した。
また、ミツコスキ首相は、マクロ経済の好調さについても言及した。首相によれば、2025年第2四半期の実質GDP成長率は3.4%に達し、ヨーロッパでも有数の成長率を記録したことや、過去1年間で1万人の新規雇用が創出され、失業者が7,000人以上減少したことが明らかにされた。加えて、今年初めからの7ヶ月間において輸出の伸びが輸入を上回り、貿易赤字が縮小傾向にあることも指摘され、インフラ整備と経済成長を結びつけていく政府の強い意志が示された。
(アイキャッチ画像出典:Влада на Република Северна Македонија)
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