
北マケドニア地方選決選投票、与党VMRO-DPMNEが圧勝-野党SDSMは惨敗
11月2日、北マケドニア全土で地方選挙の決選投票が行われ、与党・内部マケドニア革命組織・マケドニア国家統一民主党(Внатрешна македонска револуционерна организација – Демократска партија за македонско национално единство, ВМРО–ДПМНЕ/VMRO-DPMNE)が対象となった33市のうち21市で勝利し、圧勝を確実にした。第1回投票と合わせた最終結果として、VMRO-DPMNEは全国81市のうち54市で市長ポストを握ることとなり、2021年選挙の42市から大きく勢力を拡大した。
最大の注目区であった首都スコピエ(Skopje)でも、同党候補のオルツェ・ゲオルギエフスキ(Орце Ѓорѓиевски)氏が9万5千票以上を獲得して勝利した。野党Levica(左派党)の候補アマル・メツィノヴィッチ(Амар Мециновиќ)氏は6万1千票以上を得て第一回投票から支持を倍増させたが、及ばなかった。
VMRO-DPMNEの党首であるミツコスキ(Христијан Мицкоски)首相は同日夜、勝利宣言を行い、「勤勉な仕事を約束する。VMRO-DPMNEと連立政権の政策のもとに団結しよう」と国民に呼びかけた。
マケドニア系主要野党の社会民主同盟(Социјалдемократски сојуз на Македонија, СДСМ/SDSM)は、決選投票で勝利したのは3市にとどまり、第1回投票と合わせても合計わずか6市長ポストという歴史的な惨敗を喫した。これは2021年選挙で獲得した16議席から激減する結果となった。この事態を受け、SDSMのアナ・チュペスカ(Ана Чупеска)副党首が辞任を表明した。一方、昨年就任したフィリプチェ(Венко Филипче)党首は、自身の辞任は否定しつつも、党指導部の人事刷新を行う方針を発表した。
アルバニア系政党間では、連立与党の一角である「ヴレン(Vlen)」連合が9市で市長ポストを獲得し躍進した。対照的に、長年アルバニア系最大の勢力を誇ってきた統合民主連合(Bashkimi Demokratik për Integrim, BDI/DUI)は、同盟勢力と合わせても4議席の獲得にとどまり、2021年地方選で獲得した11議席から大きく後退した。
ミツコスキ首相は、アルバニア系住民も多いキチェヴォ(Kicevo)市や、スコピエ市内のカルポシュ(Karpos)区での勝利を特に歓迎する意向を示した。キチェヴォでは、DUIの有力者である現職市長をVMRO-DPMNEの候補が破った。またLevicaは、市長ポストこそ獲得できなかったものの、スコピエでの善戦に見られるように、惨敗したSDSMの支持層を吸収したと見られている。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)








































































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