
米国が国際刑事法廷メカニズムや地域協力会議など西バルカン関連機関からの脱退を表明
1月8日、米国政府は、トランプ(Donald Trump)大統領が前日の1月7日に署名した大統領覚書に基づき、米国の国益に反するとして計66の国際機関、条約、協定から脱退する方針を明らかにした。国務省が公表したこの脱退対象リストには、旧ユーゴスラヴィア地域等の戦争犯罪を裁く国際刑事法廷メカニズム(International Residual Mechanism for Criminal Tribunals: IRMCT)、西バルカン地域の地域協力を推進する地域協力評議会(Regional Cooperation Council: RCC)、および欧州評議会(Council of Europe: CoE)の諮問機関であるヴェネツィア委員会(Venice Commission)が含まれていることが判明した。
今回公表された文書においてトランプ大統領は、2025年2月4日に発出した特定の国連機関からの脱退と資金拠出の停止、および全ての国際機関への支援見直しに関する大統領令14199号を想起し、その実行内容を定義したとしている。国連関連の機関および部局については、法的に許容される範囲内で計31の事業体への参加と資金拠出を停止するとされており、その中には、旧ユーゴスラヴィア国際戦犯法廷(ICTY)およびルワンダ国際戦犯法廷の残務処理を行い、ハーグに拠点を置くIRMCTが含まれている。これにより、戦犯追及の最終段階にある法的手続きや記録管理への米国の関与が断たれることになる。
また、同覚書では国連組織に含まれない35の機関についても、可能な限り速やかに脱退する方針が示された。このリストには、西バルカン諸国の協力を強化し、同地域の欧州統合を加速させることを目的としてサラエヴォに事務局を置くRCCが含まれている。米国はこれまで同地域の安定と統合を支援する立場からRCCに関与してきたが、今回の方針転換は地域の多国間協力の枠組みに影響を及ぼす可能性がある。
さらに、憲法問題、民主主義、法の支配、人権に関して各国に法的助言や勧告を行う独立した専門家機関であるCoEのヴェネツィア委員会からも脱退することが明記された。同委員会は西バルカン諸国の法制度改革においても重要な役割を果たしており、米国の離脱は法の支配の確立に向けた国際的な連携において大きな転換点となることが予想される。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)


























































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