トルコ大統領がセルビアを訪問
9月7日、バルカン地域歴訪中のトルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdoğan)大統領がセルビアを公式訪問し、ブチッチ(Aleksandar Vučić)セルビア大統領と会談した。会談後の共同記者会見において、ブチッチ大統領は概要次のとおり述べた。
セルビアとトルコの二国間関係は歴史上最良の状態にあり、両国関係は黄金時代を迎えている。トルコ企業はセルビアにおいて10,000人以上の雇用を生み出しており、セルビアにとってトルコからの投資は極めて重要である。トルコ政府はセルビアにおいて、数多くの文化施設の補修に加え、ノビ・パザール(Novi Pazar)とトゥティン(Tutin)を結ぶ22kmの道路やラチャ(Raca)の橋梁建設も行っている。
エルドアン大統領との間では、ウクライナ情勢やエネルギー危機の問題についても議論した。その中には対ロシア制裁に関する議論も含まれる。エルドアン大統領に対し、セルビアにおける今冬の安定的な電力供給のための協力を要請した。
セルビアはバイラクタル社の無人航空機を購入したいと考えており、来年には導入が実現することを希望している。
一方、エルドアン大統領は次のように述べた。
トルコとセルビアは既に素晴らしい関係を築いているが、我々の関係は日々更に強化されている。今年、セルビアからは30万人がトルコを訪れているが、本日、両国間でのIDカードを用いた相互の越境に関する協定が結ばれたことで、この数字は将来更に大きくなるだろう。
トルコ・セルビア関係強化の起爆剤となっているのは貿易と経済である。両国間の貿易額はパンデミック下においても増加しており、昨年は約20億米ドルに達した。我々は、貿易額50億米ドルという目標に向けて今後も取り組んでいく。
トルコ企業はセルビアにおいて約50の案件を実施しており、それらの総額は8億4,700万米ドル規模である。これらの案件に対するセルビア政府からの支援について、改めて感謝する
会見に先立ち、相互査証免除協定修正議定書、相互の投資促進・保護に関する協定、技術革新に関する相互協力協定、森林火災対策における相互協力に関する了解覚書、メディア・通信分野での相互協力に関する了解覚書など、7つの二国間文書が両国政府間で署名された。
またエルドアン大統領はこの日、ボシュニャク系住民が多数居住するセルビア南西部のサンジャク地方を訪問し、ボシュニャク系政治指導者と会談した。
エルドアン大統領のサンジャク地方訪問についてのトルコ大統領府プレスリリース(英語)
このほか、エルドアン大統領の訪問に合わせ、セルビア・トルコ経済フォーラムがベオグラードで開催された。
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