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米国がNISに対し1月23日までの一時的な操業ライセンスを付与:クロアチア経由の原油輸送が再開へ

2025年12月31日、セルビアのジェドヴィッチ=ハンダノヴィッチ(Dubravka Đedović Handanović)鉱業・エネルギー相は、自身のFacebook公式アカウントへの投稿を通じて、米国財務省外国資産管理室(OFAC)が、セルビア唯一の石油精製企業であるセルビア石油産業(NIS)に対し、2026年1月23日までの操業を認めるライセンスを付与したと発表した。

これを受け、クロアチアの原油パイプライン運営会社であるヤナフ(JANAF)も同日、NISとの契約に基づく原油輸送業務への関与が2026年1月23日まで承認されたとするプレスリリースを発表し、NISが運営するパンチェヴォ(Pančevo)製油所への原油供給を即座に再開する準備が整っていることを明らかにした。ジェドヴィッチ=ハンダノヴィッチ大臣によると、この措置により、制裁の影響で約36日間にわたり操業を停止していたパンチェヴォ製油所の稼働再開が可能となる。

米国財務省は2025年1月、NISの過半数株式をロシア企業が保有していることを理由に同社を制裁対象とすることを発表し、数度の延期を経て同年10月に制裁が発効していた。これにより、クロアチアを経由する唯一の原油輸入ルートが遮断されたNISは、北部パンチェヴォにある年産480万トンの製油所の操業停止を余儀なくされていた経緯がある。

現在、NISの株式の56.15%はロシア側資本(ガスプロム・ネフチ(Gazprom Neft)が44.85%、ガスプロム(Gazprom)が間接支配するインテリジェンス(Intelligence)が11.3%)によって保有されており、セルビア政府の持分は29.87%となっている。OFACはNISに対する制裁解除の条件としてロシア資本の完全撤退を求めており、ジェドヴィッチ=ハンダノヴィッチ大臣は12月下旬に、NISおよびハンガリーの石油ガス大手であるMOLが、ロシア側保有株式の売却交渉を行っている旨をOFACに通知したと言及していた。

セルビア国営放送(RTS)は非公式情報として、ガスプロムとMOLの間の売却交渉が今回のライセンス期限である1月23日までに完了する可能性があると報じている。一方、セルビアのヴチッチ(Aleksandar Vučić)大統領は昨年11月、1月15日までに第三者との合意に至らない場合、国家がNISの経営権を引き継ぎ、適正価格でロシア側株式を買い取る用意があるとの姿勢を示していた。

NISはセルビア国内最大の燃料小売ネットワークを持ち、国内燃料消費の80%を供給する重要企業であり、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、ブルガリア、ルーマニアでも事業を展開していることから、今後の交渉の行方は地域経済にとって極めて重要となる。

(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)

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