
セルビア、スメデレヴォで新たな石油製品貯蔵施設の稼働を開始:エネルギー安全保障の強化へ
1月5日、セルビアのジェドヴィッチ=ハンダノヴィッチ(Dubravka Đedović Handanović)鉱業・エネルギー相は、セルビア東部のスメデレヴォ(Smederevo)において、新たな石油製品貯蔵施設の稼働を開始したことを明らかにした。同相の発表によれば、今回稼働を開始したのは4基のタンクであり、合計6万7000トンのユーロディーゼルの充填が順次行われる。さらに、同敷地内ではガソリン用として合計3万5000トンの容量を持つ2基のタンク建設も既に完了しており、こちらは技術的な検収を経て使用可能となる見込みだとされている。これらを合わせると、合計10万2000トンの石油製品が新たに追加で備蓄可能となり、市民生活および経済活動の維持に不可欠なエネルギー安全保障が物理的に強化されることとなる。
鉱業・エネルギー省が過去に公表したデータによると、これら貯蔵タンクへの総投資額は40億ディナール(約4000万米ドル)に達する。ジェドヴィッチ=ハンダノヴィッチ大臣は、長期的な目標としてエネルギー安全保障の強化とエネルギー備蓄の拡大を掲げており、今回の施設稼働はこの戦略的な取り組みの一環である。
現在、セルビアのエネルギー情勢は、国内唯一の製油所を持つNIS(Naftna Industrija Srbije)を巡る地政学的な緊張により、極めて重要な局面にある。ロシアのガスプロム・ネフチが実質的に過半数株式を保有するNISに対し、米国による制裁が発効したことを受け、クロアチアのパイプライン運営会社JANAF(Jadranski naftovod)を経由したアドリア海からの原油輸入ルートが遮断されたため、NISは先月、パンチェヴォ(Pančevo)製油所の稼働停止を余儀なくされていた。
ジェドヴィッチ=ハンダノヴィッチ相は先週の時点で、国内の石油製品在庫は1月20日から25日頃までの需要を満たす量であると言及していたが、今回のスメデレヴォにおける新施設の稼働は、この供給期限に対する懸念を緩和する重要な要素となる。
NISを巡る情勢については、ハンガリーの石油ガス大手MOLが、NISのロシア保有株式(56.15%)の買収に向けて交渉中であると報じられている。これを受け、米国財務省外国資産管理室(OFAC)は先週、1月23日までの期限付きでNISの事業継続およびJANAFによる原油輸送の再開を許可するライセンスを付与した。
これに関連し、ヴチッチ(Aleksandar Vučić)大統領は1月4日、パンチェヴォ製油所が1月17日または18日にも操業を再開する見込みであるとの見通しを示している。セルビア政府は、市場への強制的な備蓄放出に関する行動計画の策定を進めると同時に、国家の商品備蓄局やトランスナフタ(Transnafta)、さらには民間企業やドイツの倉庫施設なども活用し、エネルギー供給の安定化に全力を挙げている。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)





























































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