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セルビア警察、モルドヴァ選挙への介入目的の訓練を組織した疑いで2名を逮捕

9月26日、セルビア内務省は、犯罪警察局テロ対策部隊が治安情報庁(Bezbednosno-informativna agencija, BIA)及び管轄検察局と協力し、モルドヴァでの騒乱を目的として訓練を組織した容疑で容疑者2名を逮捕したと発表した。

内務省発表によれば、逮捕されたのはL.P.(1988年生まれ)とS.S.(1978年生まれ)であり、両名は、来る9月28日に予定されているモルドヴァ議会選挙当日に騒乱が発生した場合に、モルドヴァの警察官に対してより効果的な物理的抵抗を行うことを目的とした戦闘・戦術訓練を、モルドヴァ市民及びルーマニアの市民のために組織した疑いが持たれている。

発表によると、L.P.容疑者はセルビア西部の町ロズニツァ(Loznica)近郊の宿泊施設で実施された訓練を組織するとともにそのための資金調達を行い、S.S.容疑者はこれを幇助したとされる。訓練は今年7月16日から9月12日にかけて行われ、150人から170人のモルドヴァ市民及びルーマニア市民が参加したとみられている。

警察は容疑者らのアパートを捜索し、ラップトップコンピューター、携帯電話、無線周波数信号の探知・追跡装置などを押収した。また、S.S.容疑者の自宅からは拳銃が発見されたため、同容疑者には武器及び爆発物の不法製造・所持・携帯・取引の罪も加わる。

容疑者らは最大48時間の勾留を宣告され、その後、刑事告発状と共にシャバツ(Šabac)の高等検察庁に送致される予定となっている。セルビア法務省は、本件に関する捜査開始後、国際司法共助を通じてモルドヴァに対し、今後の手続きに必要な情報や証拠の提供を要請する方針であるとしている。

この逮捕は、モルドヴァの治安部隊が、ロシア諜報員によってセルビアで訓練を受けたとされる大規模な組織を摘発したと発表した直後に行われた。親欧州派政治家であるサンドゥ(Maia Sandu)モルドヴァ大統領はモルドヴァ国民向けの演説で、同国の主権と一体性が「深刻かつ差し迫った危険に晒されている」と警告し、ロシア政府が「モルドヴァを不安定化させ、暴力と恐怖を広めようとしている」と非難していた。

モルドヴァ当局は、2024年10月の大統領選挙の際にも、多くのモルドヴァ国民がセルビアやボスニア・ヘルツェゴヴィナで破壊活動のための訓練を受けていたと指摘している。

(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)

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