北マケドニアがブルガリアとの鉄道路線接続プロジェクトの入札中止を決定
9月26日、公共放送MRTのインタビューに応じたニコロスキ(Александар Николоски)運輸大臣は、北マケドニア政府が、ブルガリアとの国境に至る鉄道建設プロジェクトの入札を中止する決定を下したと述べた。このプロジェクトは汎欧州回廊第8号(コリドー8)の一部として計画されていたものであるが、ニコロスキ大臣は、プロジェクトのコストが高額過ぎであり、北マケドニア政府はこの計画が実現不可能だと判断したと述べた。
ニコロスキ大臣は、「この鉄道は高速鉄道ではないのに、24キロメートルの鉄道を整備するために5億6,000万ユーロというあまりに大きなコストががかかる」と指摘し、計画は非現実的であると述べた。
このプロジェクトの最終区間である同国北東部クリヴァ・パランカからブルガリア国境までの鉄道路線建設工事の入札には、トルコから6社、ギリシャから1社が参加したが、ギリシャ企業の入札額は推定値を2億5,000万ユーロ上回っていた。これを受けて、北マケドニア政府はプロジェクト監督委員会の北マケドニア側メンバーを撤退させ、入札は失敗に終わった。
欧州投資銀行(EIB)、欧州復興開発銀行(EBRD)及びEUは、クリヴァ・パランカからブルガリア国境までの24キロメートルの新しい鉄道線の建設と、クマノヴォから国境までの88キロメートルの線路の電化を含むこのプロジェクトの第三フェーズに対して、5億6,000万ユーロの資金提供を決定していた。
一方で、プロジェクトが対象とする地域は地形が複雑であり、多数のトンネルや橋梁の建設が必要となるため、設計段階から多くの困難が生じていた。また北マケドニア側では鉄道車両が不足しており、計画通りに鉄道路線が整備されても、十分な頻度での運行が困難になるとの指摘もなされていた。
在北マケドニアEU代表部のステファン・フドリン氏は、当該区間の工事の技術的困難とそれに伴うコスト高の問題について問われた際、「確かにこの区間は他の区間よりも複雑で困難な工事が必要になるが、現在の技術であれば克服可能である」と述べていた。
ニコロスキ大臣はインタビューの中で「北マケドニアとブルガリア両国政府は、新たな共同鉄道プロジェクトについて協議する必要がある」と述べた。北マケドニアのミツコスキ(Христијан Мицкоски)首相は、ブルガリア国境への鉄道建設プロジェクトを放棄し、その資金をギリシャ国境への既存鉄道の近代化に使用する計画を今年7月に表明している。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)
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