
【報道】モンテネグロ政府、空港コンセッションに向けた資産再評価を要請:議会承認の可能性も
2月13日、モンテネグロのラドゥロヴィッチ(Filip Radulović)海事担当相兼運輸相代行は、国家財産管理局(Uprava za državnu imovinu)に対し、国営モンテネグロ空港会社(Aerodromi Crne Gore:ACG)が保有する資産の最新の価額評価を行うよう要請した。この再評価の結果は、政府が進めている国内主要2空港(ポドゴリツァ及びティヴァト)の運営権譲渡(コンセッション)に関する入札手続きの行方を大きく左右する可能性がある。
ラドゥロヴィッチ大臣による今回の要請は、現行の資産評価額である1億4,000万ユーロ(約1億6,600万ドル)が2018年時点評価にの基づいたものであり、近年のインフレやインフラ投資、市場価値の上昇を反映していないとの懸念に基づいている。国内紙ヴィイェスティ(Vijesti)の報道によると、現在の資産価値は1億5,000万ユーロを超えているとの見方が有力となっている。モンテネグロの法制度では、1億5,000万ユーロを超える国家財産の処分には政府の提案に基づく議会の承認が必要となるため、評価額がこの基準を超えた場合、入札手続きは新たな政治的プロセスを辿ることになる。
モンテネグロの空港コンセッション入札は、2019年に事前資格審査が開始されて以来、政権交代や法的な異議申し立てにより長期にわたって停滞してきた。2025年7月には、韓国の仁川国際空港公社(Incheon International Airport Corporation:IIAC)が優先交渉権者に選定され、ルクセンブルク登録のコーポレーション・アメリカ・エアポーツ(Corporation America Airports:CAAP)が次点となった。しかし、CAAP側が評価プロセスの透明性や基準の変更を理由に複数の異議を申し立てており、行政裁判所での争いも背景に、最終的な閣議決定に至る手続きがさらに遅延している。
こうした中、ACGの労働組合や従業員はコンセッション計画そのものに強く反対している。組合側は、モンテネグロにとって「経済的な至宝」とも言える空港資産を、適正な投資と国家の支援があれば短期間で自力で稼ぎ出せる程度の低い評価額で売却することは、戦略的・経済的な失敗であると批判している。また、議会の経済・財務・予算委員会の委員長を務めるモンテネグロ社会民主党(Socijaldemokrate Crne Gore:SD)のムゴシャ(Boris Mugoša)議員も、不透明な入札プロセスを中止すべきだと主張しており、資産評価が1億5,000万ユーロを超えた場合には、議会が厳格に審査を行うべきだとの立場を強調している。
ポドゴリツァおよび沿岸部のティヴァト(Tivat)の国際空港は、老朽化したインフラの拡張が急務となっているが、コンセッションの行方が不透明なことから、長年にわたり大規模な投資が凍結された状態にある。一方で、2026年3月末から始まる夏季シーズンには、格安航空会社のウィズ・エアー(Wizz Air)がポドゴリツァ発着の17路線を新設するなど、旅客数は前年同期比で50%以上増加する見通しとなっている。急増する需要に対応するためにも、資産価値の再評価を通じた透明性の確保と、運営形態に関する迅速かつ責任ある政治判断が求められている。
(アイキャッチ画像出典:Dreamestime)




























































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