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photo of signing Board of Peace Charter

アルバニアとコソヴォ、トランプ大統領の「平和評議会」傘下でガザへの部隊派遣を表明

2月20日、トランプ(Donald Trump)米大統領は、自身の提唱する「平和評議会「(Board of Peace)」の枠組みの下で創設されたガザ安定化部隊に対し、アルバニアとコソヴォが部隊を派遣することを表明した。

19日にワシントンで開催された同委員会の初会合において、トランプ大統領は、インドネシア、カザフスタン、モロッコと共に、西バルカンの2カ国が軍事的な支援を提供すると言及した。また、他の加盟9カ国がパレスチナ自治区ガザ地区の治安維持と復興のために計70億ドル(約59億4,000万ユーロ)の資金援助を行うことも明らかにされた。

アルバニアのラマ(Edi Rama)首相は会合での演説で、「ガザにおける悲劇的な紛争を停止させた大統領の決定的な役割を称賛する」と述べ、安定化部隊へのアルバニア軍の参加を正式に承認した。ラマ首相は、この評議会が国連に取って代わる試みであるとの批判に対し、「国連を置き換えるものではなく、苦悩する巨人を揺さぶり起こす助けになるのであれば、神の祝福あれ」と持論を展開した。

コソヴォのオスマニ(Vjosa Osmani)大統領も同会合に出席し、自身のソーシャルメディアを通じて、世界各地での平和構築に向けた評議会の取り組みを支持する用意があることを表明した。オスマニ大統領は地元メディアに対し、コソヴォ治安部隊(Kosovo Security Force: KSF)にとって、米国や他の同盟国と共にこのような並外れた任務に従事することは、専門的な成長に向けた多大な機会になるとの認識を示している。

平和評議会は、トランプ大統領がイスラエル・ハマス紛争後のガザ地区の統治と復興を監視するメカニズムとして昨年後半に提案したもので、現在はその対象を世界中の紛争へと拡大させている。1月に開催された世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)で正式に設立され、今回のワシントンでの初会合には41カ国の代表が出席した。

南東欧地域では、アルバニアとコソヴォ、ブルガリアの3カ国が既に同委員会の憲章に署名している。一方で、欧州連合(EU)加盟国であるルーマニア、スロヴェニア、クロアチアは創設メンバーとしての招待を受けたものの、現時点では正式な加盟を見送っている。

ルーマニアのダン(Nicușor Dan)大統領は、国際的な平和と安全に関する議論への参加は国益にかなうとしつつも、現段階ではオブザーバーとしての参加に留める意向を示した。クロアチアのプレンコヴィッチ(Andrej Plenković)首相は、EU内での見解の調整や法的側面の精査を待つ必要があると述べている。また、スロヴェニアのゴロブ(Robert Golob)首相は、同委員会が国連憲章に基づく既存の国際秩序を著しく損なう懸念があるとして、不参加の立場を明確にした。

セルビアのヴチッチ(Aleksandar Vučić)大統領は、2月のテレビインタビューにおいて、同委員会への招待を期待する旨の発言を行っているが、今回のワシントンでの会合にセルビアの首脳陣は出席していない。

なお、今回の会合では、EUのシュイツァ(Dubravka Šuica)欧州委員(地中海担当)の出席を巡り、フランスなど一部のEU加盟国から「EUとしての付託(マンデート)がない」との批判が噴出する事態となっている。また、パレスチナの活動家や外交官からは、同委員会にガザ地区の代表が含まれていないことへの不満が示されており、トランプ大統領の仲介で昨年10月に発効した停戦合意後も、ヨルダン川西岸地区でのイスラエルによる攻撃が継続しているとの指摘もなされている。

(アイキャッチ画像出典:Public domain via Wikimedia Commons)

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