
セルビアでデレーズに対する不買運動が拡大:政府の利益制限措置を巡る国際仲裁申し立てに反発
2月7日、セルビア合同労働組合「スローガ」(Udruženi sindikati Srbije „Sloga“)は、国内最大手の小売チェーンであるデレーズ・セルビア(Delhaize Serbia)に対する不買運動への全面的な支持を表明した。この動きは、デレーズの親会社であるオランダのアホールド・デレーズ(Ahold Delhaize)が、セルビア政府による小売業者の利益率制限措置を不服として、世界銀行傘下の投資紛争解決国際センター(International Centre for Settlement of Investment Disputes:ICSID)に国際仲裁を申し立てたことを受けたものとなっている。
これに先立つ2月6日、セルビアの消費者団体「エフェクティヴァ」(Udruženje potrošača Efektiva)は、デレーズの価格設定方針に抗議し、2月中の1か月間、同社の店舗を利用しないよう市民に呼びかけていた。エフェクティヴァは、セルビアの食品価格が欧州でも最高水準にある原因の一つとして、市場で最大のシェアを持つデレーズの影響力を指摘している。同団体によれば、デレーズは2023年から2024年にかけて46%という高い粗利益率を記録しており、合計約1億3,000万ユーロの純利益を達成したとされる。また、デレーズは価格カルテルの疑いで保護競争委員会(Komisija za zaštitu konkurencije)の調査対象にもなっている。
一方、アホールド・デレーズ側は、セルビア政府が2025年9月1日から6か月間の時限措置として導入した「大手小売業者の利益率を最大20%に制限する規制」により、甚大な損失を被ったと主張している。同社はこの規制の影響で25店舗の閉鎖を余儀なくされ、2026年に予定していた投資計画を中断したほか、数百人の雇用が失われたとして、セルビア当局との協議が決裂した後に仲裁を申し立てていた。
スローガはプレスリリースにおいて、今回のデレーズによる仲裁申し立てについて、過剰な利益を維持するために国家や市民を脅迫・恐喝する長年のパターンの延長線上にあると厳しく批判している。同組合は、デレーズが2022年にレジ係の賃金を最低学歴基準に基づいて算定し、労働者の権利を侵害した過去の事例にも言及し、企業の利益が市民の利益や社会的正義を上回るべきではないと強調した。
これに対し、セルビアのラザレヴィッチ(Jagoda Lazarević)貿易相は、アホールド・デレーズによる仲裁の開始は予想されていたことだと述べ、政府は圧力を受けても規制を維持する姿勢を示した。ラザレヴィッチ貿易相は、当該規制はデレーズを含む27の小売チェーンすべてに一律に適用されており、特定の投資家を差別するものではないと反論している。デレーズ・セルビアはセルビア国内で500以上の店舗を運営し、1万1,000人以上の従業員を抱える最大手だが、高騰する生活費に苦しむ消費者や労働組合との対立は、法的紛争へと発展したことでより深刻化している。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock )





























































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