
セルビアが原子力分野でのUAEとの協力強化の方針表明:エネルギー安全保障と脱炭素化をめざす
2月4日、セルビアのジェドヴィッチ=ハンダノヴィッチ(Dubravka Đedović Handanović)鉱業・エネルギー相は、ドバイにおいてアラブ首長国連邦(UAE)の首長国原子力会社(Emirates Nuclear Energy Company:ENEC)のアル・ハマディ(Mohamed Ibrahim Al Hammadi)CEOと会談し、原子力分野における両国間の協力について協議を行った。両者は、将来の電力消費増加に対応し、脱炭素化を進める中で、原子力がベースロード電源としてクリーンかつ安定したエネルギー供給を確保するための重要な選択肢であるとの認識を共有した。
ジェドヴィッチ=ハンダノヴィッチ大臣によれば、ENECはセルビアに対し、原子力プログラムの策定に向けたロードマップの共有や、セルビア国内の機関・企業との連携を深化させる意欲を示したという。セルビア政府プレスリリースによれば、UAEは自国の原子力プログラム策定に4年、建設から稼働までに10年を要した経験を有しており、平和的核利用を新たに開始するセルビアにとって、専門家や技術者の育成、放射性廃棄物の管理、核燃料の調達、さらにはプロジェクトの資金調達といった多岐にわたる課題に対する同社の知見は極めて有益だとされている。ジェドヴィッチ=ハンダノヴィッチ大臣は、ENECが世界各国の技術保有者と連携してきた実績を評価し、セルビアが同社の国際的な経験共有プログラムへ参画する可能性を含め、協力を公式化するための対話を継続する意向を表明した。
セルビア政府は2024年11月に原子力発電所の建設禁止措置(モラトリアム)を撤廃しており、現在は2050年までのエネルギー開発戦略に基づき、原子力導入の妥当性分析を含む第一段階のプログラムを進めている。既にフランス電力(Électricité de France:EDF)およびエジス・インダストリーズ(Egis Industries)との協力により、導入のタイムスケジュールや国内送電網の適応性、人材確保に関する予備的な技術調査を完了した。また、フランス開発庁(Agence Française de Développement:AFD)に追加調査の資金援助を要請しているほか、鉱業・エネルギー省内に原子力プログラムの実施を担当する新組織を設置し、国内の20以上の学術機関や研究所と連携した準備活動を本格化させている。
セルビアはこれまで、韓国、フランス、米国、ロシアとも原子力分野の協力覚書を締結しており、安全かつ効率的な施設運営に向けた技術移転や知見の共有を模索してきた。ヴチッチ(Aleksandar Vučić)大統領も先般のUAE訪問時に原子力協力の可能性について議論しており、今回の協議はそれを受けた具体的な準備プロセスの一環といえる。セルビアが採択した「国家エネルギー・気候統合計画」のシナリオによれば、同国は2040年以降に合計1,000メガワット規模の原子力発電能力を導入することを検討しており、UAEとの連携は同国のエネルギー転換を加速させる重要な足掛かりとなる。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)





























































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