
中国アギボット社がセルビアでの人型ロボット量産計画を発表
2月2日、ベオグラードの中国文化センターで開催された製品デモンストレーションにおいて、中国の人型ロボットメーカーであるアギボット(Agibot / 智元機器人)社が、2026年から2027年にかけてセルビアで同社製品の量産を開始する計画を明らかにした。同社の欧州担当ディレクターを務めるシー(William Shi)氏によると、アギボットは、すでにセルビア国内で広範な製造基盤を持つ自動車部品大手ミンス・ホールディングス(Minth Holdings Limited / 敏実集団)と戦略的パートナーとして連携し、初期段階で1,000台から2,000台の人型ロボットを生産することを予定している。
2023年に上海で設立されたアギボットは、設立からわずか3年で急速な成長を遂げ、2025年には5,000台のロボットを製造した。これは世界市場シェアの約40%を占める規模であり、数量ベースで世界最大の人型ロボットメーカーとなっている。シー氏は、ロボット製造にはハードウェアだけでなく、学習用のAIデータを作成するソフトウェア面での補完が不可欠であると指摘し、セルビア国内でデータの学習・訓練を担う提携企業を選定する必要があるとの認識を示した。
デモンストレーションに出席したヴチッチ(Aleksandar Vučić)大統領は、セルビアがヨーロッパで初めて人型ロボットを生産する国になる可能性を強調した。ヴチッチ大統領の構想によれば、セルビア政府は2030年までに人間とロボットが協働する工場を国内に50拠点整備し、応用人工知能(AI)産業において計8,000人の雇用を創出することを目指している。これらの施設整備には数億ユーロ規模の投資が見込まれており、ロズニツァ(Loznica)にあるミンス社の既存工場がハードウェア部品の製造拠点として活用される見通しである。
また、ヴチッチ大統領は、これらのロボットが家事支援や障害者支援といった民生利用にとどまらず、国境管理などの安全保障分野にも応用可能であると言及した。ヴチッチ大統領は、次回のセルビア軍事パレードにおいて、数千台の武装ロボットを披露したいとの意欲を示し、この実現に向けて中国の習近平(Xi Jinping)国家主席に協力を要請する考えも明らかにしている。一方で、ロボット工場の稼働には1拠点あたり600メガワット(MW)もの電力を要するなど、エネルギーインフラ面での課題があることも認めた。
今回の提携は、セルビアを次世代のハイテク産業ハブへと転換させる象徴的な動きとして注目される。ミンス・ホールディングスは2018年からセルビアに進出し、ロズニツァやシャバツ(Šabac)で3,500人以上を雇用しており、アギボットとの連携はセルビアの製造業における付加価値の向上に大きく寄与するものと期待されている。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)
































































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