
親セルビア系政党が連立政権を離脱し閣僚2名が辞任:連立与党は依然過半数を維持
2月2日、モンテネグロ議会のマンディッチ(Andrija Mandić)議長は、閣僚2名の辞任を受理したことを発表した。辞任したのは、ヴキチェヴィッチ(Maja Vukićević)交通相およびゾゴヴィッチ(Milun Zogović)インフラ・地域開発担当副首相である。両名は、スパイッチ(Milojko Spajić)首相が率いる連立政権に参加していた親セルビア系の民主人民党(Demokratska narodna partija, DNP)に所属している。今回の辞任は、DNPのクネジェヴィッチ(Milan Knežević)党首が1月30日に表明した、連立政権からの離脱決定に伴うものであった。
クネジェヴィッチ党首によれば、DNPが政権支持を撤回した主な理由は、セルビア語の地位向上、歴史的な三色旗の国旗としての公認、および二重国籍の容認を盛り込んだ憲法改正案について、スパイッチ首相が議会への送付を拒否したことにある。また、首都ポドゴリツァ(Podgorica)近郊のボトゥン(Botun)地区で計画されている廃水処理施設プロジェクトを巡り、住民の抗議を支持するDNP側と、欧州連合(EU)の支援を受けてプロジェクトを推進する政府およびムヨヴィッチ(Saša Mujović)市長との間で対話が決裂したことも離脱の決定打となった。
現在、スパイッチ首相が率いる「ヨーロッパ・ナウ(Pokret Evropa sad, PES)」を中心とした連立政権は、ボシュニャク系やアルバニア系政党、親欧州派の民主モンテネグロなどを含む多党派構成となっている。2023年10月の発足以来、全81議席のうち50議席の支持を得て安定した運営を続けてきたが、DNPの離脱により支持議席数は47議席に減少した。依然として過半数は維持しているものの、政権の基盤が弱体化したことは否めない。
クネジェヴィッチ党首はまた、ポドゴリツァ市議会における与党への支持も撤回する方針を示しており、今後は同じく親セルビア系の新セルビア民主主義(Nova srpska demokratija, NSD)を率いるマンディッチ議長との間で、選挙連合「モンテネグロの未来のために(Za budućnost Crne Gore)」の今後の進退について協議を行うとしている。
モンテネグロ政府は2026年末までのEU加盟交渉完了という野心的な目標を掲げているが、国内のアイデンティティ問題を端に発した今回の政局の混乱は、改革の加速に向けた政権運営に不透明感をもたらす可能性がある。
































































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