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NIS売却交渉が最終段階に:ハンガリーMOLらとの間で今週末にも合意の見通し

1月15日、セルビアのジェドヴィッチ=ハンダノヴィッチ(Dubravka Đedović Handanović)鉱業・エネルギー相は、ハンガリーのペーテル・シヤルトー(Péter Szijjártó)外務貿易相とベオグラードで会談し、ロシア資本が過半数を保有するセルビア石油産業(Naftna industrija Srbije:NIS)の株式売却交渉が今週末までに最終合意に達する見通しであることを明らかにした。

本件は、ロシアのガズプロム・ネフチ(Gazprom Neft)が保有する44.85%と、サンクトペテルブルク拠点のインテリジェンス(Intelligence)が保有する11.3%、合わせて56.15%の株式譲渡を目的としている。現在、ハンガリーの石油・ガス大手MOL(Magyar Olaj- és Gázipari Nyrt.)やその他の潜在的パートナーとの間で法的拘束力のある合意に向けた協議が進められている。

NISはロシア資本が入っていることを理由に、2025年1月に米国財務省外国資産管理局(OFAC:Office of Foreign Assets Control)による制裁対象となった。数度の延期を経て2025年10月に制裁が完全発効し、OFACはロシア資本の完全撤退を求めている。NISは昨年12月にパンチェヴォ(Pančevo)製油所の操業停止を余儀なくされたが、その後1月23日までの期限付き操業ライセンスを取得し、アドリア海石油パイプライン(JANAF:Jadranski naftovod)経由の原油輸入を再開している。

ジェドヴィッチ=ハンダノヴィッチ大臣は、今週末の株式譲渡合意後にOFACに対しライセンスの延長を申請し、OFACが最終期限として設定している3月24日までの取引完了を目指すと述べていた。

セルビア政府は現在NISの株式の29.87%を保有しているが、ジェドヴィッチ=ハンダノヴィッチ大臣は今回の取引を通じて政府の持ち分をさらに約5%引き上げる方針を改めて示した。これはヴチッチ(Aleksandar Vučić)大統領が先に示唆していた方針と一致する。また、ヴチッチ大統領はロシア側保有株式の買い手として、MOLのほかにアブダビ国立石油公社(ADNOC:Abu Dhabi National Oil Company)が関与する可能性についても触れている。

セルビア政府プレスリリースによれば、今回の会談では、NISの株式移転を前提としたセルビアとハンガリーの二国間エネルギー協定の策定についても議論された。この協定は、石油部門におけるインフラ開発への投資を柱としており、特にセルビアのノヴィ・サド(Novi Sad)とハンガリーのアルジェ(Algyő)を結ぶ全長113キロメートルの石油パイプライン建設が重要視されている。セルビアの国営パイプライン運営会社トランスナフタ(Transnafta)はすでに建設に向けた入札を開始しており、2026年中旬の着工、18か月以内の完成を目指している。

シーヤルトー大臣は、ハンガリー政府がMOLによるNIS株式取得を強力に支援していると強調した。同大臣は、中央ヨーロッパにおけるエネルギー安全保障の観点から、スロヴァキアのブラティスラヴァ(Bratislava)、ハンガリーのサーズハロムバッタ(Százhalombatta)、そしてセルビアのパンチェヴォという3つの製油所が維持されることが地域全体のエネルギー供給安定に不可欠であるとの認識を示した。一部で懸念されていたパンチェヴォ製油所の閉鎖の可能性については、シーヤルトー、ジェドヴィッチ=ハンダノヴィッチ両大臣ともに明確に否定し、同製油所を戦略的に重要な拠点として今後も活用していく方針を確認した。

(アイキャッチ画像出典:Vlada Republike Srbije)

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