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スルプスカ共和国が高速道路建設に向け中国企業と融資契約を締結:バニャ・ルカ-ベオグラード間の連結を加速

12月30日、ボスニア・ヘルツェゴヴィナを構成する二つの政体(エンティティ)の一つであるスルプスカ共和国(RS)のRS高速道路公社(JP Autoputevi Republike Srpske)は、中国中鉄(CREC)傘下の中国海外工程有限責任公司(China Overseas Engineering Group Co.:COVEC)との間で、ビイェリナ(Bijeljina)とブルチュコ(Brčko)を結ぶ高速道路区間の建設資金調達に関する契約を締結した。

RS高速道路公社のプレスリリースによれば、本プロジェクトの対象となるのは全長17キロメートルの区間で、事業費は3億4,700万兌換マルク(約1億7,740万ユーロ)に上る。建設は、COVECおよび中国中鉄四局集団(China Tiesiju Civil Engineering Group Co.)で構成されるコンソーシアムが担当し、資金調達のパートナーとして中国建設銀行(China Construction Bank)が融資を提供する。

このビイェリナ-ブルチュコ区間は、RSの行政上の中心地であるバニャ・ルカ(Banja Luka)と、隣国セルビアの首都ベオグラードを結ぶという同共和国の戦略的な国家プロジェクトの重要な一部を構成している。

RS高速道路公社のヴィシュコヴィッチ(Radovan Višković)総裁代行は、バニャ・ルカで行われた署名式において、今回の融資交渉の完了によって着工に向けた全手続きが終了したことに満足の意を表明した。同総裁代行は、数日前にも全長31.5キロメートルのヴコサヴリェ(Vukosavlje)-ブルチュコ間の融資契約を中国側と締結したことに触れ、これら2つのインフラ事業だけで総額10億兌換マルクを超える投資規模になると説明した。また、今回の契約は同共和国が中国の主要企業と締結した6番目の大規模な契約であり、これまでに水力発電分野で2件、保健医療分野で1件、道路インフラ分野で3件の協力実績があることを強調した。

COVECのリー(Li Gang)代表は、本プロジェクトがスルプスカ共和国にとって戦略的重要性を持ち、地域の経済発展や交通の利便性向上に寄与するものであると述べた。さらに、中国の「一帯一路」イニシアティブの下で、高品質なインフラ開発を通じて同共和国の国民の幸福に貢献したいとの意向を示した。

今回の合意により、長年の懸案であったバニャ・ルカとベオグラード間の高速道路による完全な連結に向け、実務的な準備が整ったことになる。

(1ユーロ=1.956兌換マルク)

(アイキャッチ画像出典:Autoptevi RS)

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