セルビア

セルビア関連ニュース

ベオグラード地下鉄1号線の建設に向け、セルビア政府が仏アルストム社と契約締結

12月19日、セルビア政府はフランスのアルストム(Alstom)社との間で、ベオグラード地下鉄(Beogradski metro)1号線第1フェーズの交通システム設計および建設に関する契約を締結した。また同日、セルビア政府とフランス政府の間で、本プロジェクトの資金調達を支援するためにフランス財務省が1億5,000万ユーロを融資する財務議定書も併せて署名された。

セルビア政府プレスリリースによれば、財務議定書には、セルビアのマーリ(Siniša Mali)第一副首相兼財務大臣とフェラーリ(Florence Ferrari)駐セルビア仏大使が署名を行った。また、1号線第1フェーズの商業契約には、セルビアのソフロニイェヴィッチ(Aleksandra Sofronijević)建設・運輸・インフラ大臣、アルストム社のディレオーネ(Andrew DeLeone)欧州地域担当プレジデント、公共交通企業ベオグラード地下鉄・鉄道公社(JKP Beogradski metro i voz)のムラデノヴィッチ(Andreja Mladenović)代理理事、および公共交通事務局のアンドリッチ(Slaven Andrić)局長が署名した。

今回の契約に基づき、アルストム社は1号線第1フェーズにおける交通システムのプロジェクト・技術文書の作成、調達、輸送、機器の設置工事、試験、および試運転を担う。また、1号線全体の車両需要を網羅する合計32編成の列車供給も含まれている。財務上の詳細は公表されていないが、ムラデノヴィッチ代表理事は先月、本契約の価値を約10億ユーロ(約1,170億円)と推定しており、これは1号線建設においてセルビアが締結する最大規模の契約の一つとなる。

マーリ財相は、これら二つの契約がベオグラード地下鉄1号線の実現に向けた重要な一歩であり、公共交通の改善と環境負荷の低減を目的としたものであると強調した。また、ソフロニイェヴィッチ大臣は、フランスとの協力が国家間の成功事例であると述べ、チケ鉄建設が単なる交通インフラへの投資にとどまらず、市民の生活の質を向上させ、ベオグラードを現代的な欧州の首都へと発展させる持続可能な投資であるとの認識を示した。

ベオグラード地下鉄は、総延長21.3km、24km、24kmの計3路線、合計67の駅で構成される予定となっている。1号線はジェレズニク(Železnik)とミリイェヴォ(Mirijevo)を結び、中国電建(PowerChina)が土木工事を担当することが決まっている。

セルビア政府は2026年度予算において地下鉄建設に207億ディナール(約1億7,700万ユーロ)を割り当てており、フランスからの融資を含め、外国の投資法人や銀行から総額25億ユーロの借入を計画している。ヴチッチ(Aleksandar Vučić)大統領は先月、1号線の完成までに最大で3年を要するとの見通しを述べている。

(アイキャッチ画像出典:ベオグラード地下鉄・鉄道公社ウェブサイト)

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。