
EU、2026年1月末までにコソボへの制裁を全面解除へ
12月18日、コソヴォのオスマニ(Vjosa Osmani)大統領は、欧州連合(European Union)が2023年6月からコソヴォに対して科していた全ての制裁措置について、2026年1月末までに解除される見通しであることを明らかにした。オスマニ大統領は、17日にブリュッセル(Brussels)で開催されたEU・西バルカン首脳会議(EU-Western Balkans Summit)における協議の結果としてこの方針を決定したと、自身のフェイスブック(Facebook)を通じたビデオメッセージで公表した。
また欧州委員会のフォン・デア・ライエン(Ursula von der Leyen)委員長も、自身のX公式アカウントへの投稿を通じて、この制裁措置解除を歓迎する旨を表明した。
Good news for Kosovo!
— Ursula von der Leyen (@vonderleyen) December 17, 2025
The transfer of local governance in the north after the recent local elections was peaceful.
Thanks to this, I am glad to announce that we are moving forward to lift the measures on Kosovo.
We are programming €216 million of financial assistance.
And we… pic.twitter.com/Ng1kqU4Rdk
EUは、コソヴォ北部のセルビア系住民が多数を占める自治体において、投票率わずか3.45パーセントの選挙で選出されたアルバニア系の市長らが強引に就任を試みたことで発生した緊張に対し、プリシュティナ(Pristina)当局が事態の沈静化を怠ったとして、対コソヴォ援助資金の凍結や要人往来の停止などの実質的な制裁措置(EU側は「制限措置(restrictive measure)と呼称)を導入していた。
しかし、ビシリミ(Besnik Bislimi)副首相が今月16日に述べた通り、当該地域において新たに選出されたセルビア系の代表者への地方自治権の委譲が本年中に円滑に進んだことを、欧州委員会(European Commission)は肯定的に評価している。
制裁の一部であるEU資金のプログラム策定や優先プロジェクトの契約に関する制限は、すでに17日付で解除されており、これによりコソヴォは2026年から2027年にかけてのEUによる加盟前支援措置(Instrument for Pre-accession Assistance)資金へのアクセスが再び可能となった。これは、コソヴォがEUの規制や基準に適合するための改革を支援する重要な財政枠組みである。
現地の政策研究所であるギャップ研究所(GAP Institute)が今年5月に発表した報告書によれば、これら一連の制裁によるプロジェクトの遅延や停止といった経済的損失は、2025年4月時点で総額約6億1,340万ユーロに達していた。今回の全面解除の決定は、停滞していたコソヴォのEU加盟プロセスと国内経済の回復にとって大きな転換点となる。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)





























































この記事へのコメントはありません。