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セルビア、10年間で中国から77億ドルの資金を受けるもほぼ全てが融資-米研究機関調査によって明らかに

10月16日、米国ウィリアム・アンド・メアリー大学(College of William & Mary)の研究機関AidDataは、2000年から2022年にかけての中国による低・中所得国20カ国への開発金融に関する新たなカントリープロファイルを公表した。この「世界中国開発金融データセット」(Global Chinese Development Finance Dataset)に基づく分析の中で、当該期間中に中国の公的部門から、121のセルビアでのプロジェクトに対し総額77億ドル(約66億ユーロ)の無償資金供与(グラント)および融資が提供され、そのうち96%が譲許的・非譲許的融資であったことが示された。

AidDataは、中国とセルビアが経済的・政治的に緊密なパートナーシップを築いており、セルビアはバルカン半島における中国の投資と外交の主要な拠点となっていると指摘している。セルビアは2012年から欧州連合(EU)の加盟候補国であるが、同時に大規模なインフラ整備や安全保障協力を通じて中国政府との関係を強化してきた。セルビアは2015年に中国の「一帯一路」構想(BRI)に正式に参加している。

AidDataによるこの調査プロジェクトは、セルビアのほか、アルゼンチン、エジプト、エチオピア、ザンビアなどを含む20カ国の詳細を分析するもので、これら20カ国向けの中国による公的融資総額は3200億ドルに上る。これは、同期間に165の低・中所得国・地域に対して供与された中国による開発金融総額の約20%を占める。

エイドデータは、これら20カ国に共通する傾向として、中国の支援が融資(ローン)によって圧倒的に占められている「ローン支配」(20カ国全体で94%が融資)、資金の3分の2以上が大規模インフラプロジェクトに向けられる「インフラ重視」、そしてエネルギー、運輸・倉庫、産業・鉱業・建設といった「ハードウェア」分野への顕著な偏重を指摘している。

セルビアの状況もこの全体傾向と強く一致している。

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