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議長選出の失敗続き政治的空白が長期化

コソヴォでは議会選挙から6ヶ月以上が経過してもなお議会を構成できず、政治的な停滞が続いている。最近開かれた本会議でも議長選出に再び失敗し、機能不全の長期化が懸念されている。

8月20日に実施された議長選出の投票では、総選挙で第1党となった自己決定運動( Lëvizja Vetëvendosje, LVV)が提出した候補者であるハジウ(Albulena Haxhiu)氏への支持が57票にとどまり、選出に必要な過半数の61票に達しなかった。LVVは直ちに新たな候補としてゲルヴァラ=シュヴァルツ(Donika Gërvalla-Schwarz)氏を擁立したものの、獲得票数は同数に終わり、事態の打開には至らなかった。

この膠着状態を受け、コソヴォ憲法裁判所は8月8日、議長選出プロセスを促進するため、候補者の指名を3回までに制限し、議員に出席と投票を義務付けるなどの新たな指針を示し、30日間の期限を設けているが、事態の打開には至っていない。

LVVは、他党が意図的に議会を妨害していると非難している。一方、野党側は強硬な姿勢を崩していない。第2党のコソヴォ民主連盟(Lidhja Demokratike e Kosovës, LDK)のアブディジク(Lumir Abdixhiku)党首は、LVVとのいかなる政治的取引も行わず、同党の候補者を支持しないと言明した。また、コソヴォ民主党(Partia Demokratike e Kosovës, PDK)のクラスニチ(Memli Krasniqi)党首は、ハジウ氏とゲルヴァラ=シュヴァルツ氏が共にクルティ(Albin Kurti)前首相の内閣でそれぞれ法務大臣と外務大臣を務めていたことを理由に、両候補への不支持を表明した。

報道によれば、4月15日以降、議会は議長選出に55回連続で失敗しており、コソヴォの政治的空白は深刻の度を増している。

(アイキャッチ画像出典:Shutterstock AI generated)

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