
セルビア中銀、2025年の経済成長率予測を2%台に下方修正
8月13日、セルビア中銀(National Bank of Serbia, NBS)は、2025年のセルビアの経済成長率予測を5月時点の3.5%から2.75%へ下方修正したと発表した。
NBSのタバコヴィッチ(Jorgovanka Tabaković)総裁は、最新のインフレレポート発表の記者会見における発言の中で、下方修正の主な要因として、2025年第2四半期の経済実績が予想を下回ったこと、および農業部門の生産高が平年を下回る見通しであることを挙げた。セルビア統計局の速報値によれば、第2四半期の実質国内総生産(GDP)成長率は前年同期比2.0%で、第1四半期と同水準に留まった。
タバコヴィッチ総裁はまた、世界主要国の通商政策を巡る不確実性の増大や地政学的緊張の顕著な増大、さらにはセルビア国内での反政府抗議活動や道路封鎖が、投資家心理と消費者心理の両方に悪影響を及ぼしたと指摘した。
一方で、NBSは年後半の経済活動については加速するとの見通しを維持している。その牽引役として、好調な自動車生産・輸出の継続的な成長と、大型国家プロジェクト「未来への飛躍-セルビア・エキスポ2027(Leap into the Future – Serbia Expo 2027)」の下で計画されているインフラ事業の実施が期待されている。
なお、2026年および2027年のGDP成長率について、NBSは今年5月時点の予測を維持し、4%から5%の範囲内になると見込んでいる。特に2027年は、首都ベオグラードで開催される国際博覧会「エキスポ2027」が経済を押し上げ、成長率は同範囲の上限に近づく可能性があるとしている。
2025年のセルビアの経済成長率予測については、国際通貨基金(IMF)、世界銀行、欧州復興開発銀行といった国際金融機関が相次いで見通しを下方修正している。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)
この記事へのコメントはありません。