米国財務省がボスニア貿易大臣を制裁対象に指定
12月18日、米国財務省は、ボスニア・ヘルツェゴヴィナのコシャラツ(Staša Košarac)外国貿易・経済関係相および複数の個人・企業を制裁対象に指定したと発表した。コシャラツ大臣は、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ閣僚評議会副議長(副首相に相当)を兼務しており、またドディック(Milorad Dodik)スルプスカ共和国(RS)大統領が率いるセルビア系政党である独立社会民主同盟(SNSD)幹部でもある。
米国財務省発表によれば、コシャラツ大臣は、ドディックRS大統領による汚職とボスニアの不安定化政策を支援する重要な協力者であるとされ、具体的には、ドディック氏が指名する人物の公職への任命を確実にするためボスニア閣僚評議会の機能を妨害したり、ドディック氏が実質的に支配する企業への国家予算の流用を画策したとされている。
米国財務省は、コシャラツ大臣と同様にドディック氏の汚職と権力濫用に協力したことを理由に、RS企業4社及び3名の個人を制裁対象に指定した。
今回の措置により、制裁対象社の米国内の資産は凍結され、米国人との取引が禁止されると同時に、制裁対象者が50%以上を所有する企業も同様の制限を受けることになる。
米国財務省のブラッドリー・スミス・テロ・金融情報担当次官代理は、「ドディック一族は信頼できる協力者を通じて新規事業への関与を隠蔽し、自身と仲間を潤しながら米国の制裁を回避しようとしている」と指摘している。
ドディック氏は2022年1月、デイトン和平合意違反と汚職行為により米国の制裁対象となり、2023年10月にはドディック氏の子供2人も同様に制裁対象に指定されている。
(アイキャッチ画像出典:Shutterstock)
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